釣具店のランディングネット売り場で、網の付いていない金属の輪っかだけが吊るされているのを見て、手が止まったことはありませんか。値札はそれなりの数字。しかも「M」「L」としか書かれていない。これが昌栄(SIYOUEI)のランディングフレームです。
結論から言うと、昌栄ランディングネットは「完成品を1つ買う道具」ではなく、枠・網・シャフト・ジョイントを自分で組み合わせて仕上げる道具です。だから枠だけで売られている。そして組み合わせの自由度が高いぶん、最初の1組で失敗する人も出ます。逆に言えば、選び方の軸さえ分かれば、10年単位で使い続けられる1組になります。
この記事では、昌栄の玉網カテゴリを4つの系統に整理し、フレームVer.IIとino“+”ロックタイプの決定的な違い、磯や堤防で強いウルトラフレーム極、管理釣り場で手持ちする小型ネットまでを、メーカー公式のスペックをもとに順番に見ていきます。「どれを買えばいいか」ではなく「なぜそれが自分に合うのか」が分かる形で書きました。
・昌栄の玉網が「枠だけ」で売られている理由と、揃えるべき3点
・ランディングフレームVer.IIとino“+”の重量差150gをどう考えるか
・磯・堤防・管理釣り場、シーン別に選ぶべきモデル
・買ってから後悔しやすい2つの失敗パターンと回避策
昌栄ランディングネットが釣り人に選ばれ続ける理由

大阪の町工場が作る「枠屋」という素顔
昌栄というブランド名にピンとこなくても、玉枠を語るときには必ず名前が挙がるメーカーです。株式会社昌栄は大阪府に本社を置き、創業は1957年8月、法人としての設立は1991年1月4日。事業内容は釣具の製造販売だけでなく、自動車のニードルベアリング部品製造、車載ベッドキットの製造販売、業務厨房用品まで含まれます。
ここが重要なところで、金属部品の加工技術を本業として持っている会社が、その延長線上で釣りの枠を作っている構図です。だからカタログの主役が「完成したネット」ではなく「フレーム」になる。釣具メーカーが完成品を企画して外注する流れとは、出発点が違います。
具体的な場面で言えば、シーバスのランカーサイズを抜き上げる瞬間や、磯で50cm級のグレを掬い上げる瞬間に、枠がねじれるか耐えるかで結果が変わります。そこに効いてくるのが素材選定と加工精度です。
注意点も書いておきます。ブランドとしての知名度はダイワやシマノほど高くないため、地方の小さな釣具店では取り扱いがないことがあります。実物を手に取って選びたい場合は、玉の柄コーナーが充実した中〜大型店か通販が現実的な選択肢になります。
145gという数字が意味するもの
昌栄の代表格であるランディングフレームVer.IIは、Mサイズが重量145g、Lサイズが165gです。フレームサイズはMがW460×L550mm、LがW530×L690mm。この大きさで145gというのは、手に持つと拍子抜けするレベルの軽さです。
軽さの理由は枠材にあります。公式が採用しているのは超々ジュラルミンで、チタンの約半分の軽さでありながらチタンクラスの強度を狙った素材です。さらにネジ材にはチタンが使われています。軽い素材と強い素材を、負荷のかかる場所で使い分けている設計です。
この軽さが効くのは、ランディングシャフトを伸ばして水面まで差し出す場面です。シャフトが4mを超えると、先端の重さは「てこの原理」で何倍にも感じられます。先端が20g軽いだけで、腕への負担がはっきり変わる世界です。ウェーディングで長時間立ち込む人、ランガンで堤防を歩き回る人ほど恩恵を受けます。
一方で、軽い枠は「網が別売り」であることが前提です。フレーム単体で買った場合、そのままでは魚を掬えません。網とジョイント、シャフトを別途用意する必要があり、初期費用は完成品より膨らみます。ここを知らずに枠だけ買ってしまう人が毎年一定数います。
昌栄のフレームとシャフトのネジ規格は「JIS W1/2”」です。これは玉の柄の世界で広く使われている共通規格で、他社のシャフトやジョイントとも組み合わせやすいという意味を持ちます。手持ちの玉の柄があるなら、まず先端のネジ規格を確認してみてください。
ネジ規格が生む「他社と混ぜられる」自由度
昌栄のランディングフレームVer.IIも、BLACK SHEEPランディングシャフトも、ネジ規格はJIS W1/2”で統一されています。結論として、この規格を採用したパーツ同士なら、メーカーをまたいで組み合わせられます。
根拠は単純で、ネジのピッチと径が同じなら物理的に締まるからです。昌栄が完成品ではなくパーツ単位で売るビジネスを続けられているのは、この互換性があるからとも言えます。枠だけ昌栄、シャフトは他社、ジョイントはさらに別、という組み方が成立します。
使い方の場面としては、「シャフトは気に入っているが枠が重い」「枠は問題ないがシャフトが短い」といった部分的な不満を、その部分だけ買い替えて解決できます。全部を買い直す必要がありません。長く釣りを続けるほど、この積み上げ方式が効いてきます。
ただし注意点があります。規格が同じでもネジ部の材質が違うと、海水環境で異種金属が触れ合い、固着しやすくなることがあります。特に安価なアルミネジと組み合わせた場合は要注意です。釣行後に真水で流し、ネジ部を分解して乾かす習慣をつけておくと安心です。
デメリットも正直に書いておく
昌栄のフレームには、はっきりした弱点があります。第一に、繰り返しになりますが網が別売りのモデルが多いこと。第二に、公式サイトに価格が掲載されていないため、いくらで買えるのかが公式では確認できないことです。
実際、株式会社昌栄の製品ページには型番・サイズ・重量・素材といったスペックは丁寧に載っていますが、本体価格の記載はありません。価格は販売店ごとの表示に委ねられていて、同じ型番でも店によって数字が変わります。ここは購入前に複数店を見比べる手間が発生します。
第三に、サイズ表記が「M」「L」といった記号で、実寸を確認しないとイメージが湧きにくいこと。W460×L550mmと言われても、魚の体高との関係が想像しづらい人は多いはずです。この記事では後半で、枠サイズと対象魚の関係を数字で整理します。
それでも選ばれ続けているのは、スペックが公式で細かく公開されていて、必要なパーツを必要なだけ買い足せるからです。「完成品を買って終わり」ではない道具を探している人には、噛み合う設計思想と言えます。
枠・網・シャフトの3点が揃って初めて魚が獲れる
フレーム単体モデルと網付きモデルの見分け方
結論として、昌栄の玉網カテゴリは「網が付くもの」と「付かないもの」に分かれます。商品名に「網付」と入っていれば網込み、入っていなければフレーム単体と考えるのが基本です。
たとえばウルトラフレーム極Ver.IIは商品名に「網付」が入っており、3段編み6/8/10mm目の網が最初から付属します。対してランディングフレームVer.IIやino“+”ロックタイプは、フレームのスペックしか公式に記載がなく、網は別に用意する前提です。
買い方の場面で言うと、初めて昌栄を買う人ほど「網付」モデルから入るほうが失敗しません。網の目合いや深さの選択という判断を1つ減らせるからです。逆に、すでに好みの網がある人、リリース重視でラバーネットに交換したい人は、フレーム単体を選んで網を自分で決める価値があります。
注意したいのは、通販の商品画像です。イメージ写真に網が写っていても、商品名に「網付」がなければ付属しないことがあります。写真ではなく商品名と仕様欄で判断してください。ここを取り違えると、届いた箱を開けて枠だけが出てくることになります。

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ネジ規格が合わないと1匹も獲れない
フレームとシャフトをつなぐネジ規格が合わなければ、どれだけ良い枠を買っても魚は掬えません。ここは相性の問題ではなく、物理的に締まるか締まらないかの問題です。
昌栄のBLACK SHEEPランディングシャフトは、全モデルがJIS W1/2”を採用しています。全長4.6mの131が継数8本・仕舞69cm・自重428g、5.7mの131-1が継数10本・仕舞69cm・自重540g、3.9mの131-2が継数12本・仕舞43cm・自重440g、4.3mのDBモデル131-3が継数9本・仕舞58cm・自重408gです。
使い分けの目安を挙げると、3.9mはアジやメバルなどのライトゲーム、堤防の足場が低い場所向き。4.6mは堤防シーバスの標準域。5.7mは足場の高い堤防や磯で、水面までの距離がある場所向きです。長ければ良いわけではなく、長いほど重く、扱いも難しくなります。
注意点として、公式は3.9mとDB4.3mの自重について「SUSハンガーの重量を含まない」と明記しています。ハンガー装着時はそれぞれ約500g、約475gになります。カタログ数値だけを比べて「3.9mのほうが軽い」と判断すると、実際の携行重量とズレます。
ジョイントとホルダーで携帯性が決まる
枠とシャフトを直結すると、移動のたびに片手がふさがります。そこで効いてくるのが、枠を体に固定するホルダー類です。昌栄はクイックリリースホルダーという小物を用意しています。
スペックは2種類。型番283のサクラマス用がスプリング引張り力約5kg、型番284のトラウト用が約3kg、どちらも重量20gです。ネットを引っぱるだけでジョイント部が開き、素早く脱着できる構造になっています。
使う場面は明確で、ランガンで歩き回る釣りです。背中やベルトに枠を掛けておき、魚が掛かったら引き抜いて構える。両手が空くので、キャストも足場の移動も楽になります。渓流でネットを腰に下げる人、サーフを歩く人にも向きます。
デメリットは、引張り力の選択を間違えると起きます。約3kgのトラウト用に重い枠を掛けると、藪をこいだ拍子に外れて落とすことがあります。逆に約5kgのサクラマス用は保持力が高いぶん、片手で引き抜くのに力が要ります。掛ける物の重さで選び分けてください。

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予算配分は「枠4・シャフト5・小物1」で考える
3点を揃えるとき、予算をどう割り振るかで満足度が変わります。目安として、枠に4割、シャフトに5割、ジョイントやホルダーなどの小物に1割という配分を推奨します。
理由は、破損リスクと使用頻度の偏りです。玉の柄は伸縮を繰り返し、地面に置かれ、海水を浴びます。安いシャフトは節の固着やガタが出やすく、結果的に買い替えが早まります。対して枠はジュラルミンやチタンといった素材の耐久性が高く、丁寧に扱えば長持ちします。
場面別に言えば、堤防のシーバスなら4.6m級のシャフトにMサイズの枠。磯のグレなら短めのシャフトに45cm前後の枠。管理釣り場のトラウトなら、そもそもシャフトを使わない手持ちネットという選択もあります。釣り場の足場の高さが、配分を決める最大の要素です。
注意したいのは、最初から最上位を揃えようとして予算が尽きるパターンです。3点のうち1つでも欠けると魚は獲れません。まずは3点を揃え、使い込んでから不満のある1点を入れ替えるほうが、結果的に無駄が出ません。
ランディングフレームVer.IIは何がそんなに軽いのか

M145g・L165gという数字の中身
ランディングフレームVer.IIは、昌栄の軽量枠の代表です。型番はMがレッド491・ブルー491-1・チタン491-2、Lがレッド492・ブルー492-1・チタン492-2。重量はMが145g、Lが165gです。
この軽さを支えているのが超々ジュラルミンという枠材です。アルミ合金の中でも高強度の部類で、公式は「チタンの約半分の軽量素材でチタンクラスの強さ」と表現しています。加えてネジ材にはチタンを採用し、力の集中する接続部だけ素材を変えています。
実際の使用場面では、シャフトを伸ばした状態での取り回しに差が出ます。枠が軽いと、水面ぎりぎりで枠を魚の進行方向に置く、といった細かい操作がしやすくなります。魚が暴れている数秒間で位置を微調整できるかどうかは、バラシの確率に直結します。
ただし軽量枠は、無理な抜き上げに強いわけではありません。魚を枠に入れたまま海面から一気に持ち上げると、枠の接続部に想定外の力がかかります。掬ったら枠を寝かせて手繰り寄せるのが基本動作です。
オーバルシェイプが効く場面
Ver.IIの形状はオーバルシェイプ、つまり楕円形です。公式は「丸型フレームよりワンサイズ上の使用感」と説明しています。同じ収納サイズでも、長辺方向に魚が入りやすいという設計思想です。
数字で見ると、MがW460×L550mm、LがW530×L690mm。横幅より縦の長さが大きく取られているのが分かります。魚は基本的に頭から枠に入るので、進行方向に長い形は理にかなっています。
効果を体感しやすいのは、シーバスやヒラメのように体が細長い魚を掬うときです。丸枠だと横幅が足りず、魚が枠の縁に当たって弾かれることがあります。楕円ならその失敗が減ります。
逆に、真鯛やクロダイのように体高がある魚、あるいはアオリイカのように予測しづらい動きをする相手では、楕円形の恩恵は小さくなります。狙う魚の体型で形状を選ぶ、という視点を持っておくと選択がぶれません。
枠サイズで迷ったら、狙う魚の全長ではなく「体高+暴れる余裕」で考えてください。60cmのシーバスを掬うのにW460×L550mmで足りるのは、魚が頭から素直に入った場合だけです。迷ったらワンサイズ上を選ぶほうが後悔は少なくなります。
MとLはどう選び分けるか
結論はシンプルで、狙う魚のサイズが読める釣りならM、読めない釣りならLです。
根拠として、MはW460×L550mmで重量145g、LはW530×L690mmで重量165g。重量差はわずか20gですが、枠の長辺は14cm近く変わります。この差は、想定外の大物が掛かったときの余裕として効いてきます。
具体的には、河川や港内のシーバスで50cm前後が中心ならMで足ります。取り回しが軽く、収納もコンパクトです。対して、河口や磯場でランカークラスや青物が混じる可能性がある釣り場なら、最初からLを選んでおくほうが安全です。
注意点として、Lは枠が大きいぶん、風の抵抗を受けます。強風下でシャフトを伸ばすと、枠があおられて狙った位置に置きにくくなります。風の強い堤防が主戦場なら、この点も判断材料に入れてください。
Ver.IIに足りないもの
Ver.IIの弱点をはっきり書くと、ロック機構がないことです。折りたたんだ状態を固定する仕組みが仕様に含まれていません。
これは軽量化とのトレードオフです。ロック機構を付ければ部品が増え、重量が増します。145gという数字は、その機構を持たないからこそ成立している面があります。
問題になる場面は限定的で、背中やベルトに枠を掛けて歩くときです。畳んだつもりの枠が移動中に開き、藪や柵に引っかかる。渓流や磯歩きでは実害のある挙動です。
対策としては、市販のマジックテープバンドやネットホルダーで畳んだ状態を固定する方法があります。手間を許容できるならVer.IIの軽さを取り、手間を避けたいなら次に紹介するinoシリーズを選ぶ、という整理になります。
ino“+”とinoの違いは「ロック」だけではない
ino“+”ロックタイプのスペックを読む
ランディングフレームino“+”ロックタイプは、ロック機構を備えたモデルです。型番はMが134系(134・134-1・134-2・134-3)、Lが135系(135・135-1・135-2・135-3)。カラーはレッド/ホワイト、ブルー/ホワイト、チタン/スモーク、Mグリーン/スモークの4系統です。
サイズはMがW460×L550mmで重量289g、LがW530×L690mmで重量339g。パイプ径は8mm、枠材はジュラルミンです。枠の外寸はVer.IIと同じで、重さだけが約2倍になっている点が最大の特徴と言えます。
公式が説明するロック機構の効き所は、風の吹く状況です。折りたたんだフレームが不意に開かないようロックでき、ワンプッシュで解除できます。強風の堤防や、藪を抜ける渓流での移動時に価値が出ます。
注意点は重量です。289gという数字は、シャフトの先端に付ける物としては軽くありません。特に5.7mクラスの長いシャフトと組み合わせると、先端荷重が効いて構えるだけで腕にきます。長尺シャフト前提ならMサイズを選ぶ、という判断が現実的です。
inoロックタイプにはSサイズがある
無印のランディングフレームinoは、MがW460×L550mmで重量290g、LがW530×L690mmで重量340g。パイプ径8mm、枠材ジュラルミンで、カラーはレッド/ホワイト、ブルー/ホワイト、チタン/スモークの3系統です。
ここで押さえたいのは、inoロックタイプにはS・M・Lの3サイズが設定されている点です。ino“+”はM・Lの2サイズなので、より小さい枠が欲しい人にはinoロックタイプのSが選択肢になります。
Sサイズが向くのは、管理釣り場のトラウト、アジ・メバルのライトゲーム、渓流など、対象魚が30cm前後までの釣りです。枠が小さいぶん軽く、収納もしやすく、足場の狭い場所でも振り回しやすくなります。
デメリットは明白で、想定外の大物に対応できないことです。管理釣り場でも50cmを超えるニジマスが放流される池はあります。1つの枠で全部をまかないたい人には、Sサイズは不向きです。
重量差150gをどう評価するか
ここまでの数字を並べると、判断軸が見えてきます。以下は各モデルの公式スペックを釣りはじめナビで一覧化したものです。
| モデル | 枠サイズ | 重量 | ロック機構 |
|---|---|---|---|
| ランディングフレームVer.II M | W460×L550mm | 145g | なし |
| ランディングフレームVer.II L | W530×L690mm | 165g | なし |
| ino“+”ロックタイプ M | W460×L550mm | 289g | あり |
| ino“+”ロックタイプ L | W530×L690mm | 339g | あり |
| ino M | W460×L550mm | 290g | ロックタイプに設定 |
| ino L | W530×L690mm | 340g | ロックタイプに設定 |

表を見ると、同じ枠サイズでVer.IIとinoの重量差は約145gあります。ペットボトル飲料の3分の1程度の重さですが、これがシャフトの先端に付くと話が変わります。4.6mのシャフトの先で145gの差は、手元では数倍の重さとして感じられます。
判断の目安を示すと、シャフトを長く伸ばす釣り(足場の高い堤防・磯)ではVer.IIの軽さが効きます。シャフトを短く使い、移動が多い釣り(渓流・ランガン)ではinoのロック機構が効きます。「軽さを取るか、畳んだ状態の安定を取るか」がこの2系統の分岐点です。
なお、無印inoとino“+”の重量差はMで1g、Lで1gと誤差レベルです。両者の実質的な違いはロック機構とカラー展開にあると考えて差し支えありません。
ロック機構のない枠を畳んで背中に掛け、風の強い堤防を歩いていたら、いつのまにか枠が開いて柵に引っかかり、外れて海に落ちた——という失敗が起きます。原因は「畳んだ=固定された」と思い込むこと。対策は、ロック付きのinoシリーズを選ぶか、Ver.IIならバンド類で畳んだ状態を必ず固定してから歩くことです。移動前に枠を軽く振って開かないか確かめる習慣をつけてください。
磯や堤防で本領を発揮する「網付」モデル

ウルトラフレーム極Ver.IIの枠径と網の深さ
ウルトラフレーム極Ver.II 網付は、名前のとおり網が最初から付いてくるモデルです。枠材は超々ジュラルミン、パイプ径は8mmで全枠径共通。網は3段編み6/8/10mm目です。
枠径ごとの型番と網の深さは次のとおりです。40cm枠が型番840系で網の深さ50cm、45cm枠が845系で55cm、50cm枠が850系で60cm。枠径が大きくなるほど網も深くなる設計になっています。
| 枠径 | 型番 | 網の深さ | 向いている釣り |
|---|---|---|---|
| 40cm | 840系 | 50cm | グレ・チヌの磯釣り |
| 45cm | 845系 | 55cm | 磯・堤防の万能サイズ |
| 50cm | 850系 | 60cm | 青物・大型狙い |
選び方の場面としては、磯のグレ釣りなら40cmか45cm、堤防で青物が混じるなら50cmが目安です。枠が大きいほど掬いやすい反面、重く、風に振られやすくなります。
注意点として、網が深いほど魚を取り込んだあとの取り出しに手間がかかります。60cmの深さは大型を確実に収めるための設計であり、小型を数釣りする場面ではむしろ扱いにくくなります。
3段編み6/8/10mm目という網の意味
この網は、目合いが一定ではなく3段階に分かれています。公式が「3段編み6/8/10mm目」と表記しているとおり、太さの違う目を1枚の網の中で編み分けた構造です。
なぜ分けるのかというと、部位ごとに求められる性能が違うからです。魚が触れる底の部分は目を細かくして負担を減らし、水中で動かす側面は目を粗くして水抜けを良くする。この考え方で編み分けられています。
実用面での効果は、水中で枠を動かしたときの軽さに出ます。目が細かい網は水の抵抗を受けて重くなり、狙った位置に枠を置きにくくなります。潮の速い磯では、この差が掬えるか掬えないかを分けます。
一方でデメリットもあります。目の粗い部分にはフックが刺さりやすく、ルアー釣りでは絡みの原因になります。ルアーの3本イカリを付けた魚を掬うなら、目の細かいネットやラバーネットのほうが手返しは良くなります。
実売価格の目安と買うタイミング
公式サイトに価格の記載はありませんが、販売店では枠径とカラーによって幅のある価格が付いています。高知の釣具店「釣具のヤマト」のオンラインショップでは、サイズとカラーによって7,680円から9,280円(税込)の範囲で表示されていました。通販価格は店舗や時期で動くので、あくまで目安として見てください。
網が付いた状態でこの価格帯というのは、フレーム単体のランディングフレームVer.IIと比べると入りやすい水準です。網を別途買う手間と費用を考えると、最初の1本としての合理性があります。
買うタイミングとしては、枠径とカラーの在庫が動きやすい商品なので、狙いの組み合わせが出たときに押さえるのが現実的です。人気の枠径は品切れになっていることがあります。
注意点として、価格だけで枠径を決めないでください。安い枠径が自分の釣りに合っているとは限りません。まず枠径を決め、そのうえで価格を比べる順番が正解です。

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管理釣り場・ヘラブナ釣りで使う手持ちネット2種
ラバーランディングネット ライト(型番297)
シャフトを使わず、手に持って掬うタイプのネットです。型番297、網径450φ、全長1m(スライド時1.2m)、重量580gというスペックです。
特徴はラバー素材の網にあります。ラバーはフックが刺さりにくく、魚の体表の粘膜を削りにくいという性質を持ちます。リリース前提の釣りで選ばれる理由がここにあります。全長が1mから1.2mへスライドで伸びる点も、足場の高さに合わせられて実用的です。
使う場面は、管理釣り場のトラウト、ボートからの釣り、桟橋からの釣りなど、水面までの距離が短い釣り全般です。ヘラブナの管理釣り場でも、桟橋から手を伸ばして掬う場面で使えます。
注意点は重量です。580gは手持ちネットとしては軽くありません。片手で長時間構え続ける釣りには向かず、置いておいて必要なときに取る使い方が前提になります。なお、ケース付きモデルの297-1は廃番になっているため、ケースが必要なら別途用意することになります。
木製グリップのランディングネット(S・M・L)
木の持ち手と軽合金フレームを組み合わせた、いわゆる「ランディングネット」らしい見た目のモデルです。型番はLが285、Mが286、Sが287、パープルのMが289。
サイズはLがH470×L330×W220×D390mm、MがH415×L270×W210×D330mm、SがH380×L240×W150×D300mm。網はリリースを前提とした特注ソフト&抗菌素材が使われています。フレームは軽くてタフな軽合金です。
向いている場面は、渓流・管理釣り場・ヘラブナ釣りなど、魚をやさしく扱いたい釣りです。抗菌素材の網は、魚を掬ったあとのニオイやぬめりの残りにくさという実用的な利点があります。替網はランディングスペアネットとしてS・M・Lで用意されていて、ブラックとライトパープルから選べます。
注意点として、公式も「天然木の持ち手は個体差あり」と明記しています。木目や色味は1本ずつ違うということです。写真と完全に同じ見た目を期待すると、届いたときに違和感を持つかもしれません。天然素材の性質として受け止められる人向けです。
| 手持ちネットのメリット | 手持ちネットのデメリット |
|---|---|
| シャフトもジョイントも要らず1つで完結 取り込みまでの動作が少なく手返しが速い ラバー・抗菌素材で魚を傷めにくい 置き場所を取らず持ち運びが簡単 | 足場が高い堤防では水面に届かない 枠径が固定でサイズ変更ができない 大型魚が入らないと打つ手がない 片手がふさがる時間が長い |
クイックリリースホルダーで両手を空ける
手持ちネットを使うなら、体に掛けておく道具をセットで考えると快適になります。前述のクイックリリースホルダーは、型番283のサクラマス用が引張り力約5kg、型番284のトラウト用が約3kg、どちらも重量20gです。
選び分けの基準は、掛ける物の重さです。木製グリップのSサイズのような軽いネットなら約3kgのトラウト用で足ります。ラバーランディングネット ライトのように580gある物を掛けるなら、保持力の高い約5kgのサクラマス用が安心です。
使う場面は、渓流を釣り上がるときや、管理釣り場で場所を移動するときです。ネットを引っぱるだけでジョイント部が開く構造なので、魚が掛かってから構えるまでの時間を短縮できます。
注意点は、ホルダーは「小物全般に使える」設計であることです。ネット以外の物を掛けても機能しますが、そのぶん重さの管理は自分でする必要があります。掛けすぎると背中でぶつかり合い、歩くたびに音が出ます。
「管理釣り場のトラウトだから小さい枠で十分」と考えてSサイズを選んだところ、放流された良型が掛かって枠に入らず、ネット際でフックが外れた——という失敗です。原因は、狙う魚の平均サイズだけで枠を決めたこと。対策は、その釣り場で過去に上がっている最大サイズを調べ、それが入る枠を基準にすること。枠は大きいぶんには掬えますが、小さいと物理的に入りません。
買う前に知っておきたい判断軸と手入れのコツ
実は「軽さ」より「畳んだときの長さ」で後悔する
意外と知られていないのですが、ランディングネット選びで最も後悔が出やすいのは重量ではなく、収納時の長さです。
理由は、道具を車に積むところから釣りが始まるからです。BLACK SHEEPランディングシャフトを例に取ると、3.9mの131-2は仕舞43cmですが、4.6mの131と5.7mの131-1はどちらも仕舞69cmです。この26cmの差は、車のトランクや電車移動のバッグに入るかどうかを分けます。
具体的な場面として、電車と徒歩でランガンする人、コンパクトカーで釣り場を回る人は、仕舞寸法を最優先すべきです。仕舞43cmなら大型のバックパックに収まりますが、69cmは手持ちで運ぶ前提になります。DBモデルの131-3は全長4.3mで仕舞58cm・自重408gと、長さと収納性のバランスを取った位置づけです。
注意点は、仕舞寸法が短いモデルは継数が多くなることです。3.9mの131-2は継数12本、4.6mの131は継数8本。継数が多いほど、伸ばす手間と固着のリスクが増えます。ここもトレードオフです。
シーン別・あなたが選ぶべき昌栄の1組
ここまでの情報を、読者タイプ別に整理します。まず堤防シーバスがメインの人。ランディングフレームVer.IIのM(145g)に4.6mの131を合わせるのが標準形です。先端が軽く、シャフトの長さも堤防の足場に合います。
次に、足場の高い堤防や磯に通う人。枠はVer.IIのL、シャフトは5.7mの131-1(自重540g)。取り回しは重くなりますが、水面まで届かなければ話が始まりません。磯でグレやチヌを狙うなら、ウルトラフレーム極Ver.IIの45cm枠(845系)という選択もあります。
ランガンや渓流で移動が多い人は、ロック機構のあるino“+”ロックタイプのM(289g)と、仕舞43cmの131-2、そしてクイックリリースホルダーの組み合わせ。移動中のトラブルが減ります。
管理釣り場やヘラブナ釣りが中心の人は、シャフトを使わない手持ちネットが現実的です。ラバーランディングネット ライト(297)か、木製グリップのMサイズ(286)あたりが扱いやすいサイズ感になります。
替網と塩ガミ——長く使うための手入れ
昌栄の道具が長持ちするのは、消耗部品を交換できるからです。木製グリップのランディングネットにはランディングスペアネットが用意され、S・M・Lのサイズ展開とブラック・ライトパープルのカラーから選べます。ラバーランディングネット ライトにも、型番297-2のラバースペアネット ライト(200g・450φ)があります。
網は消耗品です。フックの刺し傷や紫外線で少しずつ弱り、ある日魚の重さで破れます。網だけ交換できる設計なら、枠は使い続けられます。破れてから慌てるより、シーズンオフに交換しておくほうが確実です。
手入れで一番効くのは、釣行後に真水で流すことです。特にネジ部は海水が残りやすく、放置すると固着します。BLACK SHEEPはネジ部にステンレスを使い、各セクションの固着防止機能を持っていますが、それでも塩は落としたほうが確実です。
注意点として、洗ったあとに濡れたまま袋にしまうのは避けてください。カーボンシャフトの節の内側に水分が残ると、次の釣行で節が抜けにくくなります。分解できる範囲で分解し、陰干ししてから収納する。この一手間が寿命を大きく変えます。
よくある質問
まとめ|昌栄ランディングネットは「組み合わせて完成させる道具」
最初の一歩としておすすめしたいのは、次の釣行で「自分が立つ場所から水面まで何メートルあるか」を測ってみることです。この数字が決まれば、必要なシャフトの長さが決まり、シャフトが決まれば先端に付けられる枠の重さの上限も見えてきます。枠から選ぶのではなく、足場から逆算する。これが昌栄の道具選びで失敗しないいちばん確実な順番です。
なお、価格や在庫状況、ラインナップは変わることがあります。最新の仕様は株式会社昌栄の公式サイトでご確認ください。



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