「ティップランを始めたいけれど、エギの種類が多すぎてどれを買えばいいのか分からない」——ボートエギングに興味を持った初心者が、最初につまずくのがこのエギ選びです。ショア(岸)で使う普通のエギをそのまま持ち込んでも、水深20〜50mの深場ではほとんど釣りになりません。ティップランには専用設計のエギが必要だからです。
結論から言うと、ティップラン用のおすすめエギは、有名メーカーの実績モデル5本に絞れば十分です。号数(サイズ)と自重、そして得意な状況さえ押さえれば、初心者でも1日でアオリイカを狙えるようになります。逆に、ここを外すと「底が取れずにアタリすら分からない」まま1日が終わってしまいます。
この記事では、釣り歴の長い視点から、ティップラン専用エギの選び方の基準、ヤマシタ・ダイワ・エコギア・クレイジーオーシャンの実績5本の比較、予算別の揃え方、そして初心者がやりがちな失敗と対策まで、数値をもとに具体的に解説します。読み終えるころには、自分の釣り場に合った1本が明確になっているはずです。
・ティップラン専用エギと普通のエギの決定的な違い
・後悔しないエギ選びの「4つの数字」(沈下速度・自重・号数・カラー)
・実績のあるおすすめエギ5本の号数・価格・得意な状況の比較
・予算5,000円以下から本格派まで、レベル別の揃え方
そもそもティップランのエギは普通のエギと何が違うのか

ティップラン用のエギは、岸から投げる通常のエギとは設計思想がまったく違います。ここを理解しないまま普通のエギを深場に落としても、狙ったレンジまで届かず、アタリも取れません。まずは「なぜ専用エギが必要なのか」を仕組みから押さえておきましょう。
ティップランは「船からエギを沈めて止める」釣り方
ティップランとは、船を潮に流しながらエギを底付近まで沈め、竿先(ティップ)の変化でアオリイカのアタリを取るボートエギングの一種です。主戦場は水深20〜50mの深場で、岸からは届かない沖のイカを狙えるのが最大の魅力です。エギを2〜3回シャクって上げたあと、ピタッと止める「ステイ」の瞬間にイカが抱きつきます。この「止め」の姿勢が安定しているかどうかが、専用エギの価値を決めます。潮が速い日は50mラインを流すこともあり、軽いエギでは底が取れず、そもそも釣りが成立しません。初めての人はまず「沈めて・シャクって・止める」の3動作だと覚えておけば十分です。
専用エギは頭を下げて素早く沈む設計になっている
普通のエギが水平姿勢でゆっくり沈むのに対し、ティップラン専用エギは頭を下に向けて素早く沈下する設計です。理由はシンプルで、深場では1秒でも早く底を取ったほうが手返しが良く、潮に流されすぎる前にイカのいるレンジを探れるからです。自重も25〜35gと、ショア用エギ(3.5号で20g前後)よりずっと重く作られています。ヤマシタのエギ王TRのように沈下速度を1.2〜1.5秒/mと公表しているモデルもあり、水深30mなら40秒前後で底に届く計算です。重いぶんキャストには向きませんが、船の真下に落とすティップランでは、この「速く沈んで速く止まる」性能が釣果を大きく左右します。
ショア用エギを流用すると底が取れず失敗しやすい
「手持ちのエギで代用できないか」と考える人は多いですが、基本的におすすめしません。ショア用の3.5号(20g前後)は軽すぎて、深場では潮に流されて底に届かないうえ、着底しても糸が斜めに入って何mラインにいるのか分からなくなります。使えるのは水深10m前後の浅場で、潮が緩い日に限られます。どうしても手持ちで試すなら、専用の「シンカー(追加オモリ)」を装着して重量を足す方法もありますが、姿勢が崩れてダートが乱れるため本格的にやるなら専用エギが結局は近道です。最初の数本は専用モデルを揃えたほうが、遠回りせずに済みます。
「ティップラン」の名前は、竿先(ティップ)に出るアタリを取る釣りであることに由来します。エギが止まった直後、ティップがわずかに「モタれる」「重くなる」「戻される」といった小さな変化がアタリのサイン。この一瞬を見逃さないために、感度の高いティップランロッドと、止まる姿勢の安定したエギが必要になるのです。
後悔しないエギ選びは「4つの数字」で決まる
ティップランのエギ選びは、色やメーカーの前に、まず「数字」で絞り込むのが正解です。押さえるべきは自重・号数・沈下速度・カラーの4つ。ここを外すと、どんな人気モデルを買っても釣り場で機能しません。逆にこの4つが釣り場に合っていれば、値段が安いエギでも十分に釣れます。
自重は25〜35gが基本、水深と潮で使い分ける
ティップランエギの自重は25〜35gが基準です。目安として、水深20〜30mで潮が緩ければ25g前後、30〜50mや潮が速い日は30〜35gを選びます。重いほど早く底を取れますが、重すぎるとイカが抱いたときの違和感が大きく、アタリを弾くこともあります。実際の船では、潮の速さが刻々と変わるため、25g・30g・35gクラスを最低3つ持っておき、底が取れなくなったら重いほうへ替えるのが定石です。船長が「今日は30g中心で」とアナウンスしてくれる遊漁船も多いので、予約時に確認しておくと無駄な買い物を防げます。1つの重さしか持たずに乗ると、潮が変わった瞬間に手詰まりになります。
号数は3.0〜3.5号が主力、シーズンで前後する
号数(エギの長さ規格)は3.0〜3.5号が主力です。春〜初夏の親イカシーズンや良型狙いは3.5号、秋の新子(小型)シーズンや数釣りは3.0号が扱いやすいサイズになります。ダイワのエメラルダス ボートIIは2.75号25gから3.5号30gまで幅広く展開され、シーズン初期は2.75号がベストサイズとメーカーも案内しています。号数が大きいほどアピール力は上がりますが、活性の低い日は小さめのほうが抱きやすいこともあります。まずは3.5号を軸に、渋い日用の3.0号を1〜2本足す構成が失敗しにくいです。号数と自重は必ずしも比例しないので、「3.5号でも25g」といった表記を見落とさないよう注意しましょう。
沈下速度は「底取りの速さ」に直結する
沈下速度は、エギが1m沈むのにかかる秒数のことで、底取りの速さと手返しに直結します。ヤマシタのエギ王TRは3.5号で1.2秒/m、3号で1.5秒/mと公表しており、これは深場でもテンポよく底が取れる部類です。数字が小さいほど速く沈み、潮が速い日や深い場所で有利になります。ただし、速すぎるとイカがついてこられない渋い日もあるため、フォールで見せて食わせたい状況ではあえてゆっくり沈むエギを選ぶ判断も必要です。メーカーによっては沈下速度を公表していない製品もありますが、その場合は「クラス最速」などの表記や自重の重さから、速く沈むタイプかどうかを推測できます。
初めてのティップランで、手持ちのショア用エギ(20g前後)や軽い25gだけを持ち込み、潮の速い水深40mラインで底がまったく取れず、アタリも分からないまま1日を終える——これは初心者の3大失敗のひとつです。原因は「重さの選択肢が足りない」こと。対策は、25g・30g・35gと重さ違いを最低3つ用意し、糸が斜めに流されて底が取れなくなったら迷わず重いエギに替えること。エギは同じ号数でも重さ違いで揃えるのが鉄則です。
カラーは3系統あれば足りる(派手・地味・夜光)
カラーは無数にありますが、初心者は3系統に絞れば十分です。①晴れ・澄み潮に強いナチュラル系(金アジ・オリーブなど)、②曇り・濁りに強いアピール系(オレンジ・ピンク・レッド)、③朝夕・深場に効く夜光(ケイムラ・グロー)の3タイプ。まずは同じモデルでこの3色を揃え、反応がなければ順にローテーションします。エギ王TRは全17色と選択肢が豊富で、下地(ボディカラー)とテープの組み合わせで水中の見え方が変わります。高いエギを1色だけ買うより、実績カラーを3色揃えたほうが釣果は安定します。色に迷ったら、まずはオレンジ系の1本を軸にすると、濁りにも澄み潮にもある程度対応できます。
ティップランのおすすめエギ5本を号数・価格で比較

ここからは、実績のあるティップラン専用エギを5本に絞って紹介します。まずは全体像をつかむために、代表号数・自重・参考価格・得意な状況を一覧で比較しました。各メーカーの公式情報とショップの実売価格をもとにまとめています。
| 商品名 | 代表号数・自重 | 参考価格 | 得意な状況 |
|---|---|---|---|
| ヤマシタ エギ王TR | 3.5号 27g | 実売約1,350円 | 止めて誘う・食い渋り |
| ダイワ エメラルダス ボートII | 3.5号 30g | 1,550円(税抜) | 速いフォールで手返し重視 |
| ダイワ エメラルダス ボートII RV | 3.5号 30g | 1,550円(税抜) | 濁り・プレッシャーが高い時 |
| エコギア エギリー ダートマックスTR | 30g | 約1,980円 | 深場・激流の底取り |
| クレイジーオーシャン ティップランナー | 3.5号 31g | 1,250円(税抜) | 止めの姿勢安定 |
※価格は各メーカー公式・釣具店の情報をもとにした参考値(釣りはじめナビ調べ/2026年7月時点)。カラーや号数により前後します。
まず1本選ぶならティップランナーかエギ王TR
5本のなかから最初の1本を選ぶなら、価格が手ごろで扱いやすいクレイジーオーシャンのティップランナー(3.5号31gで税抜1,250円)か、止めの安定感に定評があるヤマシタのエギ王TR(3.5号27g・実売約1,350円)がおすすめです。どちらも「止めたときに水平を保って余計に動かない」設計で、アタリを出しやすいのが初心者向きの理由です。ティップランはステイの姿勢が乱れるエギだと、イカが違和感を覚えて抱かないことがあります。まずはこのどちらかで基本動作を覚え、慣れてきたら重さ違いやカラー違いを足していくのが、無駄なく上達する順番です。予算に余裕があれば両方を1本ずつ持っておくと、渋い日に使い比べができます。
意外と知られていませんが、ティップランでは1本の高級エギを買うより、同じモデルで重さ違いを3つ揃えるほうが釣果が安定します。理由は、船上で刻々と変わる潮の速さに合わせて「底が取れる重さ」に替えられるから。2,000円のエギ1本より、1,250円のエギを25g・30g・35gで揃えたほうが、実戦では圧倒的に対応力が上がります。まずは1モデルを重さ違いで揃える——これが遠回りしない王道です。
価格差は「素材と機能」の差、安い=釣れないではない
5本の価格は税抜1,200円台から約1,980円まで幅がありますが、高い=釣れる、安い=釣れない、という単純な話ではありません。価格差の中身は、錫シンカーなどの素材、ラトルやフラッシング機能の有無、カンナ(針)の精度といった付加価値です。たとえばダートマックスTRが約1,980円とやや高いのは、深場・激流の底取りに特化した設計だから。一方でティップランナーは税抜1,250円ながら止めの安定性で高く評価されています。つまり「自分の釣り場の条件に機能が合っているか」で選ぶべきで、値段の高さだけを基準にする必要はありません。まずは手ごろな実績モデルで基本を覚え、通う海の条件が見えてきたら機能特化モデルを足すのが、お金を無駄にしない順番です。
初心者が避けたい選び方|1色だけ・1重さだけの買い方
逆に、初心者がやりがちで避けたいのが「気に入った1色を1本だけ」「1つの重さだけ」で揃えてしまう買い方です。ティップランは、その日の潮の速さや光量、濁りに合わせてエギを替えることで釣果が安定する釣り。1色・1重さでは条件が変わった瞬間に対応できず、周りが釣れているのに自分だけ沈黙、という事態に陥ります。予算が限られるなら、高いエギを1本買うより、手ごろなモデルを「重さ違い2つ+カラー違い2色」で組んだほうが実戦的です。1本あたりの単価より、揃え方の幅を優先する——この考え方を最初に持っておくと、後々の買い足しも無駄になりません。
ティップランを始めるにはエギだけでなく、専用ロッドやリール、ライン一式も必要です。タックル全体の揃え方はこちらの記事も参考にしてください。

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定番の2本|エギ王TRとエメラルダス ボートIIを使い込む
まずは、多くの遊漁船で「持っている人が多い」定番モデルを2本掘り下げます。ヤマシタのエギ王TRとダイワのエメラルダス ボートIIは、性格が対照的で、この2本を使い分けられるようになると釣りの幅が一気に広がります。
ヤマシタ エギ王TR|止めて誘う「動かずに泳ぐ」エギ
エギ王TRは、「ピタッと止まる安定スイム」をコンセプトにしたティップラン専用エギです。デカ針・ハイドロフィン・錫(すず)素材のハイドロシンカー・専用ボディによる「全身安定構造」で、止めたときに余計な動きを出さず、アタリを引き出します。号数は3号(21g・全長95mm・沈下速度1.5秒/m)と3.5号(27g・全長105mm・沈下速度1.2秒/m)の2サイズ。希望小売価格は3.5号で1,550円(税抜)、実売はおおむね1,337〜1,397円です。錫シンカーは従来の鉛より軽く体積が大きいぶん水の抵抗を受けやすく、止めの安定に寄与します。食い渋りでアタリが小さい日や、じっくり見せて食わせたい状況で頼りになる1本です。カラーは全17色と豊富なので、澄み・濁り・夜光を揃えやすいのも利点です。(メーカー公式スペックはこちら)
ダイワ エメラルダス ボートII|クラス最速フォールで手返し重視
エメラルダス ボートIIは、ダイワが「クラス最速(同社比)」とうたう速いフォールスピードが持ち味のティップラン専用エギです。ヘッドとシンカーを一体化してコンパクトにまとめ、素早く底を取れるのが最大の武器。シャクると素直にダートし、日本製のスーパーシャープ段差カンナでフッキング性能も高めています。ラインナップは2.75号25g、3号25g/35g、3.25号30g、3.5号30gと幅広く、価格は25gが1,500円、30g・35gが1,550円(いずれも税抜)。潮が速い日や深場でテンポよく底を取りたいとき、手返し重視で数を稼ぎたいときに向いています。「仮面シンカーボート」を装着すればさらにウェイトを足せるので、想定より潮が速い日にも対応できる拡張性があります。(メーカー公式スペックはこちら)
2本の使い分け|渋い日はエギ王TR、流れる日はボートII
この2本は、性格が逆だからこそ使い分けが効きます。目安は、アタリが小さく食い渋る日や、しっかり止めて見せたい状況ではエギ王TR。潮が速く底が取りにくい日や、手返し重視でテンポよく探りたい日はエメラルダス ボートII、というすみ分けです。実際の船では、まずボートIIで底を取りながら広く探り、反応はあるのに乗らない渋い状況になったらエギ王TRに替えて止めの間を長くとる、という流れが組み立てやすいです。どちらも3.5号なら27〜30gと重さが近いので、同じ号数で両方を揃えておくと、その日の正解を素早く見つけられます。1本目に迷ったら、まずは扱いやすいボートIIから入るのも手です。
エギ王TR=「止めて食わせる」渋い日の切り札。エメラルダス ボートII=「速く沈めて手返し」で数を稼ぐ主力。この2本を3.5号で1本ずつ持っておくだけで、その日の潮と活性に合わせた引き出しが2つできます。まずはこの組み合わせが、定番にして失敗の少ないスタートです。
状況を変える3本|濁り・激流・止め重視で選ぶ

定番2本で基本が組めたら、状況を打開する3本を足していきます。濁り対応のラトルモデル、深場・激流の底取りに特化したモデル、止めの姿勢に振り切ったモデル。この3本があると、条件が悪い日でも手詰まりになりにくくなります。
ダイワ エメラルダス ボートII RV|濁り・プレッシャーにラトルで効かせる
エメラルダス ボートII RV(ラトルバージョン)は、ノーマルと同じボディにラトル(音)を内蔵したモデルです。号数・自重・価格はノーマルと同じ(25gが1,500円、30g・35gが1,550円/税抜)で、違いは「音でアピールできる」点。水が濁って見た目のアピールが効きにくい日や、先行者が多くイカがスレている(プレッシャーが高い)状況で、音の存在感が効くことがあります。使い方は簡単で、ノーマルで反応がないときに同じ号数のRVへ替えるだけ。ただし、澄み潮の高活性時はかえって警戒される場面もあるため、常にラトルが正解というわけではありません。ノーマルとRVを両方持ち、状況で切り替えるのが賢い使い方です。(メーカー公式スペックはこちら)
エコギア エギリー ダートマックスTR|深場・激流の底取り最優先
ダートマックスTRは、ボートエギング専用に開発されたエギで、深場や潮の速いエリアの底取りに強いのが特徴です。ヘッド部分の布地を排除し、ウェイトを一体成型することで、コンパクトなシルエットながら自重をしっかり確保。これにより「驚異的な底取りスピードと着底感」を実現し、他のエギでは底が取りにくい激流や深いポイントでも狙ったレンジに素早く届きます。代表的な30gモデル(30g-BK)の希望小売価格は1,980円と5本のなかではやや高めですが、そのぶん潮が速い日の1杯を拾ってくれる場面があります。着底の感覚がはっきり手元に伝わるので、初心者が「底が取れているか分からない」問題を解消しやすいのも利点。潮流の速いエリアに通う人ほど、1本持っておく価値があります。
クレイジーオーシャン ティップランナー|止めの姿勢に振り切った1本
ティップランナーは、「止めた時の安定性がケタ違い」と評される、ステイ姿勢に特化したティップラン専用エギです。フォールの速さ、シャクリの軽さ、ダートの切れ、流水時の安定性、停止時の姿勢、針掛かりの良さといったティップランに必要な要素を細かく検証して設計されています。号数は3号(25g)が税抜1,200円、3.5号(31g)が税抜1,250円と、5本のなかで最も手ごろな価格帯。止めたときに水平を保って余計に動かないため、アタリが出やすく、初心者の「気づいたら乗っていた」を増やしてくれます。シャクリが軽いので、1日中しゃくっても疲れにくいのも見逃せない利点。コスパ重視で複数の重さ・カラーを揃えたい人の主力候補になります。(メーカー公式ラインナップはこちら)
エギとラインをつなぐスナップや、リーダーの号数選びもティップランの釣果を左右します。細かいセッティングはこちらも参考にどうぞ。

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予算・レベル別|最初の1本から本格セットまでの揃え方
「結局、いくらぶんのエギを買えばいいのか」は多くの初心者が悩むところです。ここでは予算とレベルに応じて、無理のない揃え方を3段階で提案します。一度に全部揃える必要はなく、通ううちに少しずつ足していくのが現実的です。
| 予算の目安 | 揃える本数 | おすすめ構成 |
|---|---|---|
| 〜3,000円(入門) | 2本 | ティップランナー3.5号を2色(澄み潮用+濁り用) |
| 5,000〜7,000円(定番) | 4本前後 | エギ王TR+ボートII+重さ違い+夜光カラー |
| 8,000円〜(本格) | 6本以上 | 上記+RV(濁り)+ダートマックスTR(激流) |
※釣りはじめナビ調べ(2026年7月時点の参考価格をもとにした構成例)。
5,000円以下|まずは2本でティップランを体験する
最初の1日を体験するだけなら、5,000円もかける必要はありません。ティップランナー3.5号(税抜1,250円)を、澄み潮用のナチュラル系と濁り用のオレンジ系で2本揃えれば、合計3,000円弱でスタートできます。まずはこの2本で「沈めて・シャクって・止める」の基本動作を覚え、アタリの出方を体で覚えるのが目的です。物足りなさを感じたら次のステップへ進めばよく、いきなり高いエギを何本も買う必要はありません。ただし、潮が極端に速い日は25g・31gだけでは底が取れないこともあるため、その場合は船長に相談して重めのレンタルエギを借りるか、後述の重さ違いを足していきましょう。
1〜3万円|定番2本+重さ・カラー違いで対応力を上げる
月1回ほど通うようになったら、定番のエギ王TRとエメラルダス ボートIIを軸に、重さ違い(25g・30g・35g相当)とカラー違いを足して4本前後に増やすのがおすすめです。予算は5,000〜7,000円ほど。これだけあれば、潮の速さが変わっても「底が取れる重さ」に替えられ、澄み・濁り・朝夕の光量にもカラーで対応できます。ティップランは条件の変化に合わせてエギを替える釣りなので、選択肢の数がそのまま釣果の安定につながります。1本を大事に使うより、複数を状況で回すほうが1日の釣果は伸びやすいと考えてよいでしょう。
本格派|濁り・激流対応まで揃えて手詰まりをなくす
年に何度も通う本格派なら、8,000円以上をかけて6本以上を揃え、どんな状況でも打つ手がある状態を作っておくと安心です。定番2本+重さ・カラー違いに加えて、濁り対応のエメラルダス ボートII RV、深場・激流の底取りに強いダートマックスTR(約1,980円)を加えると、条件が悪い日でも「これで反応がなければ潮が動くのを待つ」と割り切れます。ここまで揃えると、同船者が苦戦する渋い日に自分だけ拾える場面も出てきます。ただし、根掛かりでロストすることもあるため、お気に入りは複数個ストックしておくと、当たりエギを失っても釣りを続けられます。
ティップランエギで釣果を伸ばす使い方とよくある失敗
良いエギを揃えても、使い方を間違えると釣果は伸びません。ここではエギを活かすための基本動作と、初心者がやりがちな失敗をまとめます。道具選びと同じくらい、この「使い方」が結果を左右します。
基本は「2〜3回シャクって止める」、止めが勝負どころ
ティップランの基本動作は、着底後にラインを張って2〜3回シャクり上げ、そのあと5〜10秒ほどピタッと止める、の繰り返しです。アタリの多くは、この「止め」の最中に出ます。竿先がわずかに引き込まれたり、逆に軽くなったり、モタれるように重くなったら、それがイカが抱いたサイン。すかさず竿を立ててアワせます。シャクったあとに止める間を作れるかどうかが、釣果を大きく分けます。焦って動かし続けるとイカが抱く隙がなくなるので、「止めて待つ勇気」を意識しましょう。エギ王TRやティップランナーのように止め姿勢が安定したエギは、この待ちの時間を味方にしてくれます。
アタリが分からず不安になって、止める間をとらずにシャクり続けてしまう——初心者がつまずく典型的な失敗です。ティップランのアタリの大半はステイ中に出るため、止めない釣りではイカが抱く時間そのものがなくなり、結果として「アタリがない1日」になります。対策は、シャクったら心の中で5〜10秒数えて必ず止めること。止めの姿勢が安定したエギを選び、竿先に集中してその一瞬の変化を待つ——これだけで釣果は変わります。
根掛かりとロスト対策|底を切る意識と予備の用意
ティップランは底付近を狙う釣りなので、根掛かりによるエギのロストは避けられません。対策は2つ。1つは、着底したら糸を張ってすぐに底を切り、着底したまま放置しないこと。潮に流されて底を這わせると、根に引っかかるリスクが上がります。もう1つは、当たりエギを複数個ストックしておくこと。1個1,200〜2,000円のエギを失うと痛いですが、予備がないと当たりパターンを失った瞬間に釣りが崩れます。お気に入りのモデル・カラーは2個以上持っておくと安心です。深場で高切れ(ラインが途中で切れる)した場合はエギごと失うため、ラインとリーダーの結束を釣行前に点検しておくことも、ロスト予防になります。
アワセと取り込み|掛けたあとにバラさないコツ
アタリを感じたら、竿を立ててスッと鋭くアワせます。アオリイカはエギの布に触腕(しょくわん)を絡めて抱くため、アワセが弱いと針が刺さらず、途中でバレやすくなります。掛けたあとは、一定の速さでリールを巻き続け、竿の角度でイカの重みを受け止めながら寄せるのがコツ。ここで巻くのを止めたり、竿をあおって緩めたりすると、イカが身切れ(触腕が切れて外れる)しやすくなります。深場からのやり取りは時間がかかりますが、慌てず一定のテンションを保つのが基本です。水面近くまで来たら、玉網(タモ)で確実にすくい取りましょう。無理に抜き上げると、最後の一瞬でバラす原因になります。掛けてからが本番だと意識すると、取り込みの成功率が上がります。
リーダー(ショックリーダー)の号数選びに迷ったら、こちらの記事で状況別の目安を確認できます。

「エギングを始めたけれど、リーダーは何号を巻けばいいのか分からない」——これは初めてアオリイカを狙う人がまず必ずぶつかる壁です。号数を間違えると、根ズレで簡単に…
まとめ|ティップランのおすすめエギは5本で十分そろう
ティップランのエギ選びは、色やブランドの前に「自重・号数・沈下速度・カラー」の4つの数字で絞り込むのが正解です。専用エギは頭を下げて素早く沈み、止めたときに姿勢が安定するよう設計されており、この2点が深場でアオリイカのアタリを取るカギになります。今回紹介した5本は、いずれもメーカー公式で仕様が確認できる実績モデルばかり。まずは扱いやすい定番から入り、通いながら重さ違い・カラー違いを足していけば、無理なく対応力が上がります。高い1本を大事に使うより、実績モデルを重さ違いで揃えるほうが、実戦では釣果が安定します。
最初の一歩は、扱いやすい1本を手に入れて、まずは近場の遊漁船でティップランを体験してみることです。船長に「ティップラン初めてです」と伝えれば、その日の重さの目安やエギの動かし方を教えてくれる船も多くあります。数字で選び、重さ違いで揃え、止めて待つ——この3つを意識すれば、初めての1杯はぐっと近づきます。まずは1本、あなたの通う海に合ったエギを選ぶところから始めてみてください。
※製品の仕様・価格は2026年7月時点の各メーカー公式サイト等をもとにしています。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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