「船からのジギングを始めたいけれど、ロッドの種類が多すぎてどれを買えばいいのかわからない」。釣具店のジギングコーナーで、6フィート前後の似たような竿が何十本も並んでいるのを見て、手が止まってしまった方は多いのではないでしょうか。表記も「S60-3」「B60-4」「MAX180g」と暗号のようで、店員さんに聞こうにも何を聞けばいいのかすらわからない、というのが最初のつまずきです。
先に結論をお伝えします。近海の青物を船から狙う最初の1本は、全長6フィート前後・ジグ重さMAX180〜210g・PE3号クラスの番手を選べば、関東・関西の多くの乗合船で使い回せます。あとは「予算」と「ベイトかスピニングか」を決めるだけで、候補は2〜3本まで絞れます。
この記事では、メーカー公式サイトのスペック表で現行販売を確認した6シリーズを、本体価格11,100円のエントリーから42,500円の上位機まで比較します。竿の表記の読み方、失敗しやすいパターン、読者タイプ別の選び方までまとめたので、読み終えるころには「自分が買うべき番手」がはっきりしているはずです。
・船用(オフショア)ジギングロッドと岸用の違い、「S60-3」などの表記の読み方
・最初の1本で失敗しないための4つの基準(ジグ重さ・PE号数・リール・継数)
・公式スペックで比べた現行6シリーズの価格・自重・適合ジグ一覧(釣りはじめナビ調べ)
・予算と釣行スタイル別に「どの番手を買えばいいか」の具体的な答え
ジギングロッドおすすめを探す前に知っておきたい「船用」の基本

「ジギングロッド」は船用と岸用でまったく別物
ジギングロッドとして売られている竿は、大きく「オフショア(船から狙う)」と「ショア(岸から狙う)」の2系統に分かれ、長さも使い方もまったく違います。この記事で扱うのは船用です。船用は真下に沈めたメタルジグをしゃくって誘う釣りなので、長く投げる必要がなく、全長は6フィート(1.83m)前後が主流です。今回比較したシマノ・ダイワ・メジャークラフトの6シリーズも、ほぼすべてが1.83m前後に収まっています。
一方、堤防や磯から投げる岸用は、遠投のために9〜10フィート以上ある長い竿が中心です。釣具店で「ジギングロッドください」とだけ伝えると、岸用の長い竿を案内されることもあるので、「船で使う」と最初に伝えるのが近道です。
注意したいのは、船用の6フィートの竿を堤防で使っても遠くへは投げられず、逆に岸用の長い竿は船上で取り回しにくく、隣の人との距離が近い乗合船では迷惑になりやすい点です。兼用はできないと割り切って選びましょう。岸から青物を狙いたい方は、別記事で岸用ロッドを詳しく比較しています。

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竿の品番は「S60-3」=スピニング・6フィート・PE3号と読む
ジギングロッドの品番は、暗号のように見えて実はルールが決まっています。シマノの「グラップラーBB タイプJ S60-3」なら、Sがスピニング用、60が6フィート0インチ、3が適合PEラインの上限3号を表します。Bならベイト用です。ダイワも同じ考え方で、公式サイトでは「J=ジギング、63=6ft.3in.、S=スピニング、B=ベイト、末尾=使用PEのMAX号数」と説明しています。
つまり品番の末尾の数字を見れば、その竿の「強さのクラス」がひと目でわかります。末尾が2〜2.5なら軽めのジグで中小型の青物向け、3なら近海ジギングの標準、4〜5なら水深が深く潮の速いエリアや大型狙い、という目安です。
初心者がよくやってしまうのが、メーカーをまたいで数字の意味が違うのに気づかないことです。メジャークラフトの「ジャイアントキリング1G」はML・M・MHといった硬さ表記で、同じ「M」でもシマノやダイワの末尾数字と直接は対応しません。迷ったら、品番ではなくスペック表の「ジグ重さ」と「適合PE」の欄で比べるのが確実です。
硬さを決めるのは「ジグ重さMAX」と「適合PE号数」の2つ
ジギングロッドの硬さは、スペック表の「ジグウェイト(g)」と「適合ラインPE(号)」の2列で判断します。たとえばシマノ グラップラーBB タイプJの場合、S60-2はジグMAX160g・PE MAX2.5号、S60-3はジグMAX180g・PE MAX3号、S60-4はジグMAX210g・PE MAX4号と、末尾の数字が上がるほど重いジグと太い糸に対応します。
ここで押さえておきたいのは、MAX値は「ここまでなら壊れずに扱える上限」であって、快適に使える中心値ではないということです。ダイワ アウトレイジ Jの公式解説では、MAX180gのJ63S-3を「160g±20gのジグで水深40〜100m前後」に適したモデルとしています。MAXより少し軽いところが一番気持ちよくしゃくれるゾーンだと覚えておきましょう。
失敗しやすいのは、船宿の指定ジグが200gなのに、MAX180gの竿を持っていってしまうケースです。竿が大きく曲がり込んでジグが動かず、1日中しゃくり続けて腕だけが疲れる、という結果になりがちです。竿を買う前に、行きたい船宿のホームページで「ジグ○○〜○○g」の指定を確認してください。
ダイワ アウトレイジ Jの公式アイテム解説では、PE2〜2.5号+140g±20gで水深30〜80m前後、PE2.5〜3号+160g±20gで水深40〜100m前後、PE3〜4号+180g±20gで水深60〜130m前後と、ジグ重さと水深の目安が番手ごとに示されています。船宿の「水深」と「指定ジグ」を見れば、必要な番手の見当がつきます。
最初の1本で失敗しないための4つの基準
番手は「ジグMAX180〜210g・PE3号クラス」から選ぶ
最初の1本は、ジグMAX180〜210g・PE MAX3〜4号の番手を選ぶのが基本です。理由は、近海の乗合船で指定されることの多いジグの重さと、水深の幅にもっとも広く対応できるからです。ダイワ アウトレイジ Jの解説でも、PE3号クラスを「近海ジギングのメインターゲット」に合わせた1本と位置づけています。
具体的な番手でいうと、シマノ グラップラーBB タイプJならS60-3かB60-3(ジグMAX180g)、ダイワ アウトレイジ XV JならJ60S-3かJ60B-3(ジグMAX180g)、メジャークラフト ソルパラ ジギングならSPJK-S60/3かSPJK-B60/3(ルアー120-210g)が該当します。
ただし、通う海域が水深100mを超えるエリア中心で、船宿が200g以上のジグを指定している場合は、1つ上のPE4号クラス(ジグMAX210〜220g前後)を選ぶ方が合います。反対に、水深が浅く100g前後のジグが中心の海域なら、PE2.5号クラスの軽めの番手が快適です。「自分の地元の船宿がどんな重さを指定しているか」を先に調べると、番手選びで外しません。メタルジグ自体の重さや形の選び方は、別記事で詳しく比較しています。

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PEラインとリーダーの号数は竿の表記に合わせる
竿の「適合PE」は、リールに巻くPEライン(細い糸を編んだ強い道糸)の太さの目安です。PE MAX3号の竿なら、PE2.5〜3号を巻いたリールを組み合わせるのが基本になります。竿の表記より太いPEを使うと、根掛かりや大物とのやり取りで竿より先に糸が勝ってしまい、竿に無理な負荷がかかります。
逆に、竿に対して細すぎるPEを使うと、ドラグ(糸が一定以上の力で引かれると滑り出す仕組み)を強く締められず、魚に主導権を渡してしまいます。竿・PE・リーダー(PEの先に結ぶ太めの透明な糸)の3つは、強さのクラスを揃えることが大切です。
初めての方がつまずきやすいのは、PEとリーダーの結束です。船の上で揺れながら結び直すのは慣れないと時間がかかり、その間に時合い(魚がよく釣れる短い時間帯)を逃すこともあります。出船前日に自宅で結んでおき、予備のリーダーも1〜2本用意しておきましょう。号数の組み合わせ方は、こちらの記事が参考になります。

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ベイトとスピニングは「どんな誘い方をしたいか」で決める
ジギングロッドはベイトリール用(品番にB)とスピニングリール用(品番にS)が作り分けられていて、兼用はできません。ベイトはクラッチを切るだけでジグを落とせ、巻き上げの力も伝えやすいので、船の真下を縦に探る釣りに向いています。スピニングは素早いジャーク(竿をしゃくってジグを跳ね上げる動作)や、軽く投げて斜めに引く釣り方に対応しやすいのが強みです。
数字で見ると、同じシリーズでもベイト用の方が軽い傾向があります。シマノ グラップラーBB タイプJでは、S60-3が自重172gに対してB60-3は142gです。一方でダイワ アウトレイジ Jは、J63S-3が165gでJ62B-3が195gと逆転しており、シリーズごとの設計で変わります。
初心者がやりがちな失敗は、手持ちのリールに合わせず竿を先に買ってしまうことです。ショアジギング用の大きめのスピニングリールを持っているならS、船用のベイトリールを買う予定ならBと、リールの種類から逆算して選んでください。迷う場合は、フォール(ジグを沈める動作)の操作が簡単で、船長の「底から何メートル」という指示にも合わせやすいベイトから始める方が、船釣りには馴染みやすいです。
「初心者向け」と書かれた軽めの番手(ジグMAX160g前後)を買い、潮の速い日に船宿指定の200g前後のジグを使った結果、竿が曲がりきってジグが動かない――というのが最初の1本で起きやすい失敗です。原因は、竿のMAX値と実際に使うジグの重さを照らし合わせていないこと。対策は、購入前に行きたい船宿の「指定ジグ○○〜○○g」を確認し、その上限がMAX値の内側に収まる番手を選ぶことです。
継数と仕舞寸法は「車に積めるか」で確認する
船用ジギングロッドの多くは、グリップ(持ち手)の部分で2つに分かれる「グリップジョイント」方式です。シマノ グラップラーBB タイプJはS60-3で仕舞寸法132.6cm、ダイワ アウトレイジ XV JはJ60S-3で130cmと、たたんでも1.3m前後あります。軽自動車でも後部座席を倒せば積める長さですが、トランクに横向きには入りません。
一方、ダイワ アウトレイジ Jは全モデルが1ピースで、J63S-3の仕舞寸法は191cmです。竿がつなぎ目なく1本で曲がるため、調子(竿の曲がり方)にこだわる人には好まれますが、積める車が限られます。反対に、シマノ 25グラップラー タイプJには並継3本の3ピースモデルもあり、S60-3/3の仕舞寸法は69cmまで短くなります。
電車で港へ向かう方や、飛行機で遠征したい方は、3ピースモデルか仕舞寸法の短いモデルを選ぶと移動が楽になります。ただし、継ぎ目が増えるぶん価格は上がる傾向があり、25グラップラー タイプJでもS60-3が本体価格32,000円なのに対し、S60-3/3は36,000円です。
現行6シリーズを公式スペックで比べた一覧表

釣りはじめナビ調べ:PE3号クラスで揃えた比較表
6シリーズを公平に比べるため、それぞれ近海ジギングの標準であるPE3号クラス(ジグMAX180g前後)のスピニングモデルで揃えました。数値はすべて各メーカー公式サイトのスペック表から転記しています。価格は税抜の本体価格です。
| シリーズ(番手) | 本体価格 | 自重 | ジグ重さ | 継数 |
|---|---|---|---|---|
| メジャークラフト ソルパラ ジギング(SPJK-S60/3) | 11,100円 | 157g | 120-210g | 2本 |
| メジャークラフト ジャイアントキリング1G ジギング(GK1-S62M) | 15,900円 | 164g | 120-210g | 1pcs グリップ脱着式 |
| ダイワ アウトレイジ XV J(J60S-3) | 18,000円 | 182g | MAX180g | 2本 |
| シマノ グラップラーBB タイプJ(S60-3) | 21,500円 | 172g | MAX180g | 2本 |
| シマノ 25グラップラー タイプJ(S60-3) | 32,000円 | 173g | MAX180g | 2本 |
| ダイワ アウトレイジ J(J63S-3) | 42,800円 | 165g | MAX180g | 1本 |
表の見方のポイントは、メジャークラフトの2シリーズがジグ重さを「120-210g」のように幅で示し、シマノとダイワが「MAX180g」のように上限で示している点です。表記方法が違うだけで、どちらも近海のPE3号クラスとして使える番手です。
注意点として、比較表は「同じクラスの番手どうし」で並べたものなので、シリーズ全体の優劣を示すものではありません。重いジグを使う海域なら、各シリーズのPE4号クラスで比べ直す必要があります。
価格は3つの帯に分かれる
6シリーズの本体価格は、はっきり3つの帯に分かれます。1つ目がメジャークラフトのソルパラ ジギング(11,100円・11,600円)とジャイアントキリング1G ジギング(15,900円)のエントリー帯。2つ目がダイワ アウトレイジ XV J(18,000円)とシマノ グラップラーBB タイプJ(21,000円〜23,500円)のミドル帯。3つ目がシマノ 25グラップラー タイプJ(32,000円〜39,000円)とダイワ アウトレイジ J(42,500円〜43,400円)の上位帯です。
エントリー帯は「年に数回、様子見で船に乗る」人、ミドル帯は「ジギングを趣味として続けるつもりの」人、上位帯は「月に何度も通う、あるいは2本目として調子にこだわりたい」人が目安です。
ここで気をつけたいのは、ジギングは竿だけでは始められないことです。ベイトかスピニングの中〜大型リール、PEライン、リーダー、ジグ数本が別に必要になるので、竿に予算を使い切るとリールのグレードを落とすことになります。竿とリールのバランスを考え、最初は竿をミドル帯までに抑える人が多いのはこのためです。
実は自重の差は価格ほど開いていない
意外と知られていないけれど、PE3号クラスのスピニングモデルで比べると、価格が約4倍違っても自重の差は小さいのです。いちばん軽いのはソルパラ ジギング SPJK-S60/3の157gで、42,800円のアウトレイジ J J63S-3(165g)より軽い数値です。いちばん重いのはアウトレイジ XV J J60S-3の182gで、最軽量との差は25gにとどまります。
では、価格の差はどこに出ているのか。メーカーの説明を読むと、上位機はネジレを抑える構造(シマノのスパイラルX・ハイパワーX、ダイワのX45やV-JOINT)や、握りやすいリールシート、曲がり方の作り込みに費用がかかっています。つまり「軽さ」よりも「しゃくったときにジグへ力が素直に伝わるか」「大物とのやり取りで体への負担が少ないか」が価格差の中身です。
だからといって、自重だけ見てエントリー機で十分と決めつけるのも早計です。竿の持ち重り(手元から見た先の重さの感じ方)はカタログの自重とは別で、グリップの長さやリールシートの位置で変わります。可能なら釣具店で、実際に使うリールを付けて握り比べるのが確実です。
ベイトモデルで比べると順位が入れ替わる
同じPE3号クラスでも、ベイトモデルで並べると自重の順位が入れ替わります。25グラップラー タイプJのB60-3は140g、グラップラーBB タイプJのB60-3は142g、ソルパラ ジギングのSPJK-B60/3は145gです。ダイワはアウトレイジ XV J J60B-3が185g、アウトレイジ J J62B-3が195gで、スピニングとは反対にベイトの方が重い設計になっています。
この違いは、ベイトモデルを選ぶときに効いてきます。1日中しゃくり続ける釣りでは、数十グラムの差でも夕方の疲れ方が変わると感じる人が多いものです。軽さを優先するならシマノのベイトモデル、握ったときのしっかり感やリールシートの形を優先するならダイワ、という見方もできます。
ただし自重はリールを付けたときのバランスでも印象が変わります。ベイトロッドにはベイトリール、スピニングロッドにはスピニングリールと、必ず対応するリールと組み合わせて評価してください。カタログ数値だけで決めず、「使うリールとの相性」を最後の決め手にするのがおすすめです。
予算を抑えて始めたい人向けのエントリー2本
メジャークラフト ソルパラ ジギング:本体価格11,100円から始められる
とにかく初期費用を抑えて船のジギングを体験してみたい人には、メジャークラフトのソルパラ ジギングが候補になります。本体価格はSPJK-S60/3とSPJK-B60/3が11,100円(税込12,210円)、SPJK-S60/4とSPJK-B60/4が11,600円(税込12,760円)で、今回比較した6シリーズの中でもっとも手に取りやすい価格です。
ラインナップはスピニング2機種・ベイト2機種の計4機種とシンプルで、全長はすべて6’0″・2ピースです。/3の番手はルアー120-210g・PE1.5-3.0号、/4の番手はルアー150-260g・PE2.0-4.0号に対応します。自重はSPJK-S60/3が157g、SPJK-B60/3が145gと、価格帯を考えると軽い部類です。
向いているのは、「友人に誘われて年に数回乗合船に乗る」「まずは1回やってみて続けるか決めたい」という人です。一方で機種数が4つしかないため、PE2.5号以下の軽いジギングや、300g級の重いジグを使う深場には対応する番手がありません。通う海域の指定ジグが番手の範囲に収まるかを確認してから選びましょう。
メジャークラフト ジャイアントキリング1G ジギング:番手の細かさが強み
エントリー帯でもう少し選択肢がほしい人には、同じメジャークラフトのジャイアントキリング1G ジギングが合います。本体価格は全8機種共通で15,900円(税込17,490円)。スピニングがGK1-S62ML・S62M・S62MH・S60Hの4機種、ベイトがGK1-B60ML・B60M・B60MH・B60Hの4機種です。
強みは硬さの段階が細かいことです。ML(ジグ80-180g・PE1.0-3.0号)からH(ジグ180-300g・PE2.0-4.0号)まで4段階あるので、軽めのジグで浅場を攻めたい人から、300g級のジグを使う深場まで対応できます。継数は「1pcs グリップ脱着式」で、竿の部分はつなぎ目のない1本、グリップだけが外れる構造です。
ソルパラ ジギングとの違いは、価格差ぶん番手の幅とブランクの作りが広がっている点です。浅場で100g前後のジグを使う海域なら、ソルパラにはないMLの番手を選べます。ただし、硬さ表記がML・M・MH・Hなので、シマノやダイワの「末尾数字=PE号数」の感覚で選ぶと迷いやすい点に注意してください。スペック表のジグ重さの欄で判断するのが確実です。
エントリー帯を選ぶときに割り切っておくこと
エントリー帯の2本は、価格を抑えながら近海ジギングに必要なスペックを満たしています。ただ、上位機と比べて割り切るべき点もあります。代表的なのは、竿の曲がり方の作り込みと、ネジレを抑える構造の有無です。ジグを1日中しゃくり続けると、この差が「疲れ方」や「ジグの動きの揃い方」として現れやすくなります。
具体的な場面でいうと、潮が速くジグが流される日や、船宿指定の上限に近い重いジグを使う日ほど差を感じやすくなります。反対に、潮が穏やかで中間くらいの重さのジグを使う日なら、エントリー帯でも十分に釣りになります。
エントリー帯を選ぶなら、竿で浮いた予算をリールとPEラインに回すのが賢い使い方です。竿よりもリールの巻き上げ力やドラグ性能の方が、青物とのやり取りでは頼りになる場面が多いからです。1年続けてみて「もっと楽にしゃくりたい」と感じたら、そのときにミドル帯以上へ買い替えを考えれば十分です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 本体価格11,100円〜15,900円で始められる 浮いた予算をリール・ラインに回せる 自重157g前後と価格の割に軽い番手がある | ネジレを抑える構造などの作り込みは上位機に及ばない ソルパラは4機種のみで対応できる海域が限られる 硬さ表記が他社と異なり比較しにくい |
長く使える本命はどれ?ミドル帯の2本を比較

ダイワ アウトレイジ XV J:本体価格18,000円で竿袋まで付属
エントリー帯より一段上の作りがほしいけれど、予算はできるだけ抑えたい人には、ダイワのアウトレイジ XV Jが候補になります。メーカー希望本体価格は全5アイテムとも18,000円(税抜)で、公式サイトでは「ジギングエントリーロッドの決定版」と紹介されています。
ラインナップはスピニングのJ60S-3・J60S-4・J60S-5と、ベイトのJ60B-3・J60B-4の5アイテム。全長はすべて1.83m・2ピースで、J60S-3はジグMAX180g・PE MAX3.0号、J60S-5はジグMAX260g・PE MAX5.0号まで対応します。バット(竿の根元側)の最外層をカーボンテープで締め上げてネジレを抑える「BRAIDING X」を採用し、リールシートはスピニングがFuji製DPS、ベイトがFuji製TCSです。
見落とされがちな利点が、専用のロッドカバー(竿袋)が標準で付いてくることです。船に持ち込むときや自宅での保管時に、傷から竿を守れます。気になる点は自重で、J60S-3が182g、J60B-3が185gと、今回比べたPE3号クラスの中では重い方です。軽さを最優先する人には別の選択肢が向きます。
シマノ グラップラーBB タイプJ:10機種から番手を選べる定番
ミドル帯で番手の選択肢を重視するなら、シマノのグラップラーBB タイプJが合います。本体価格はS60-2とB60-2が21,000円、S60-3とB60-3が21,500円、S60-4とB60-4が22,000円で、もっとも強いS56-6・B56-6でも23,500円です。スピニング5機種・ベイト5機種の計10機種から選べます。
ブランクス(竿の本体)には不快なネジレやブレを抑える「ハイパワーX」を搭載し、全モデルがグリップジョイント2ピースです。PE3号クラスのS60-3は自重172g・ジグMAX180g、ベイトのB60-3は自重142g・ジグMAX180gで、特にベイトの軽さが目立ちます。軽いジグ向けのS60-2(ジグMAX160g・PE MAX2.5号)から、ジグMAX300g・PE MAX6号のS56-6まで揃うので、通う海域に合わせて番手を選びやすいシリーズです。
向いているのは、ベイトで軽快にしゃくりたい人や、将来的に浅場用と深場用の2本を同じシリーズで揃えたい人です。注意点は、2021年新製品のシリーズであることです。公式サイトでは現行品として掲載されていますが、購入前に公式ページで番手が残っているか確認しておくと安心です。
XV JとグラップラーBBで迷ったら「リールの種類」で決める
ミドル帯の2本で迷ったときは、使うリールがベイトかスピニングかで判断するとすっきり決まります。ベイトで始めるならグラップラーBB タイプJのB60-3(自重142g)、アウトレイジ XV JのJ60B-3(自重185g)と比べて軽く、しゃくり続けたときの負担を抑えられます。
スピニングで始めるなら、グラップラーBB タイプJのS60-3が172g、アウトレイジ XV JのJ60S-3が182gと差は小さくなります。この場合は、本体価格18,000円で竿袋まで付くアウトレイジ XV Jか、21,500円で番手の選択肢が広いグラップラーBB タイプJか、という「価格と拡張性」の比べ方になります。
もう1つの判断軸は、重いジグを使うかどうかです。アウトレイジ XV JはJ60S-5(ジグMAX260g)までですが、グラップラーBB タイプJにはジグMAX300gのS56-6・B56-6があります。深場の大型狙いまで見据えるならグラップラーBB、近海中心で予算を抑えたいならアウトレイジ XV J、と覚えておくと選びやすいです。
ミドル帯は「ベイトならグラップラーBB タイプJ B60-3(142g)」「スピニングで予算重視ならアウトレイジ XV J J60S-3(18,000円)」が選び方の軸です。どちらもジグMAX180gのPE3号クラスなので、近海の乗合船で使える範囲は同じです。
3本目まで見据えるなら上位帯の2本
シマノ 25グラップラー タイプJ:3ピースも選べる20アイテム
ジギングを長く続けるつもりで、最初から作りのしっかりした竿を選びたい人には、シマノの25グラップラー タイプJが候補になります。本体価格は32,000円〜39,000円(税別)で、グラップラーシリーズの中核に位置づけられています。
特徴は20アイテムという番手の多さです。グリップジョイントのS60-3(自重173g・ジグMAX180g)やB60-3(自重140g・ジグMAX180g)に加え、ジグMAX400g・PE MAX8号のS53-8・B53-8まで揃います。スパイラルXとハイパワーXでネジレを抑え、2〜5パワーのモデルには軽くて強いCI4+素材のリールシートを搭載しています。さらに並継3本の3ピースモデルもあり、S60-3/3は仕舞寸法69cmまで短くなります。
向いているのは、近海の青物から遠征の大物まで同じシリーズで揃えたい人や、電車・飛行機で移動したい人です。デメリットは価格で、PE3号クラスのS60-3でも本体価格32,000円と、ミドル帯のグラップラーBB タイプJ S60-3(21,500円)より上がります。年に数回しか船に乗らないなら、ミドル帯で十分な場合がほとんどです。
ダイワ アウトレイジ J:全モデル1ピースで曲がりにこだわる
竿の曲がり方にこだわりたい人には、ダイワのアウトレイジ Jが合います。メーカー希望本体価格は42,500円〜43,400円(税抜)で、公式サイトでは上位のSALTIGAの設計思想を引き継いだ「ハイスタンダードジギングモデル」とされています。
最大の特徴は、全7アイテムがつなぎ目のないワンピース仕様であることです。J63S-3は全長1.91m・自重165g・ジグMAX180g、J61S-4は1.85m・176g・ジグMAX220gです。スピニングには軽量エアセンサーシートを採用し、前作CATALINA(63MLS)と同じ基準のアイテムで比べて25g軽くなったと公式で説明されています。
公式のアイテム解説が具体的なのも選びやすい点で、J63S-2.5は「PE2〜2.5号、140g±20gのジグで水深30〜80m前後」、J61S-5は「PE4〜5号、200g±20gのジグで水深80〜160m前後」と、海域に当てはめやすく書かれています。注意点は、1ピースゆえに仕舞寸法が183〜191cmと長いことです。車の荷室に2m近い長さが入るか、事前に測っておいてください。
1ピースとグリップジョイントはどちらが有利?
上位帯の2本は、竿の分かれ方がはっきり違います。アウトレイジ Jは竿全体が1本のワンピース、25グラップラー タイプJはグリップ部分で分かれるグリップジョイント(一部は3ピース)です。
ワンピースの良さは、つなぎ目がないぶん竿全体が素直に曲がることです。ジャークしたときの力の伝わり方や、魚が掛かったときの曲がり込みを重視する人に好まれます。一方でグリップジョイントは、たたんだときの長さが短くなり、車への積み込みや船宿までの持ち運びが楽になります。25グラップラー タイプJのS60-3なら仕舞寸法132.1cmで、アウトレイジ J J63S-3の191cmより短くなります。
実は、最近の上位機はつなぎ目の設計が進み、グリップジョイントでも1ピースに近い曲がりを狙っているモデルが増えています。シマノはグラップラーBBの説明でも「1ピースに迫るスムーズな曲がりと強度を両立」と書いています。車のサイズや移動手段に制約がある人は、無理にワンピースを選ばず、持ち運びやすさを優先して問題ありません。
「曲がりが良いから」と仕舞寸法191cmのワンピースロッドを買い、自宅に届いてからコンパクトカーの荷室に入らないと気づく――という失敗は珍しくありません。原因は、スペック表の「仕舞寸法」を車の室内長と照らし合わせていないことです。対策は、購入前に助手席を倒した状態で対角線の長さを測っておくこと。入らない場合は、仕舞寸法132cm前後のグリップジョイントか、69cmまで縮む3ピースモデルを選びましょう。
上位帯が向く人・向かない人
上位帯の2本が本当に役立つのは、ジギングの回数が多い人です。月に何度も船に乗る人は、しゃくりやすさやファイト時の体への負担の差を、回数を重ねるほど実感しやすくなります。また、すでにエントリー帯やミドル帯の竿を持っていて、2本目として「別の番手」や「調子の違う1本」を探している人にも向いています。
反対に向かないのは、まだ年に1〜2回しか船に乗る予定がない人です。ジギングは竿以外にもリール、PEライン、リーダー、ジグ、フック、偏光グラス、ライフジャケットなどの出費がかさむため、竿に40,000円台を使うと他の道具のグレードを下げることになりがちです。
上位帯を選ぶ前に考えたいのは、「どの竿を買うか」よりも「どの番手が自分の海域に合うか」を先に固めることです。高い竿でも番手を外すと、指定ジグを快適に扱えません。最初の1本はミドル帯で番手を体で覚え、2本目で上位帯に進むという順番も、長く楽しむための現実的なルートです。
あなたに合う1本はどれ?タイプ別の選び方
初めて乗合船に乗る人:ベイトのPE3号クラスが無難
初めて乗合船でジギングをする人には、ベイトモデルのPE3号クラスをおすすめします。具体的には、グラップラーBB タイプJ B60-3(本体価格21,500円・自重142g)、アウトレイジ XV J J60B-3(本体価格18,000円)、ソルパラ ジギング SPJK-B60/3(本体価格11,100円)のいずれかです。
ベイトを勧める理由は、クラッチを切るだけでジグを沈められ、船長の「底から10mまで探ってください」といった指示に合わせやすいからです。水深の数字をリールのカウンターや糸の色で確認しながら釣れるので、初めてでも自分がどこを探っているのか把握しやすくなります。
注意点は、ベイトリールは糸がスプール(糸を巻く部分)の中で浮き上がって絡む「バックラッシュ」が起きることです。ジグを沈めるときに親指でスプールを軽く押さえる練習を、出船前に自宅で数回しておくと、船上で慌てずに済みます。朝の海で最初のひとしゃくりを入れる瞬間の、あの緊張感を楽しむためにも準備は大切です。
月1回以上通う予定の人:ミドル帯でシリーズを揃える
ジギングを趣味として続けると決めている人は、ミドル帯以上のシリーズで1本目を選び、2本目を同じシリーズの別番手で揃えるのがおすすめです。たとえばグラップラーBB タイプJなら、1本目にB60-3(ジグMAX180g)、2本目に深場や潮の速い日用のB60-4(ジグMAX210g)といった組み合わせです。
同じシリーズで揃えると、グリップの形やリールシートの位置が近いので、持ち替えても違和感が少なく、潮の変化に合わせて竿を替えたときのしゃくりのリズムが崩れにくくなります。船上では、重いジグ用と軽いジグ用の2本を持ち込んで使い分ける人が多いものです。
注意したいのは、船宿によっては持ち込める竿の本数に目安があることです。乗合船は隣の人との間隔が限られているため、竿を何本も立てかけると周りの迷惑になります。予約時に「竿は何本まで持ち込めますか」と確認しておきましょう。
電車・飛行機で移動する人:3ピースモデルを選ぶ
車を持っていない人や、遠方の海へ飛行機で遠征したい人は、仕舞寸法の短いモデルを優先して選ぶのが正解です。今回比べた中では、シマノ 25グラップラー タイプJの3ピースモデルが該当し、S60-3/3で仕舞寸法69cm、B60-3/3で73.3cmまで短くなります。
本体価格はS60-3/3が36,000円、B60-3/3が37,000円と、同じシリーズのグリップジョイントより上がります。それでも、仕舞寸法132cm前後の竿を抱えて満員電車に乗ったり、飛行機で長尺物として預けたりする手間を考えると、移動の多い人には十分に価値のある選択です。自重もS60-3/3で174gと、グリップジョイントのS60-3(173g)とほぼ同じです。
注意点は、継ぎ目が増えるほど、組み立て時の差し込みが甘いと釣りの途中で抜けやすくなることです。竿をつなぐときは、ガイド(糸を通す輪)の向きを揃えてからしっかり差し込み、釣りの合間にもときどき緩みがないか確かめてください。
ジギングロッドおすすめの番手を決めるQ&A
最後に、番手選びで多い疑問をQ&A形式でまとめます。竿選びで迷ったときの判断材料にしてください。
もう1つよくある疑問が「ライトジギング用の竿で代用できないか」というものです。ライトジギングは軽いジグで中小型の魚を狙う釣りで、竿のジグ重さの上限も低めに作られています。青物を狙う船で指定される重さのジグを使うと、竿が負けてしまうので、青物狙いならこの記事で紹介した「ジギング」カテゴリーの竿を選んでください。
また、同じ番手でも船宿や季節によって指定ジグは変わります。春と秋で潮の速さが違い、同じ船でも使うジグの重さが変わることがあるため、1本で全部をこなそうとせず、よく行く船宿の「いちばん多い指定」に合わせて選ぶのが現実的です。
まとめ
まずは、次に乗りたい船宿のホームページを開き、「指定ジグ○○〜○○g」と「水深」をメモしてください。その数字がMAX値の内側に収まる番手を、比較表から選べば、最初の1本で外すことはありません。
※価格・スペックは2026年9月時点で各メーカー公式サイトに掲載されている本体価格(税抜)です。最新情報は公式サイトでご確認ください。





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