「船からジグを落として青物を釣ってみたい。でも、ジギングロッドは品番の数字が多すぎて、どれを買えばいいのか分からない」。オフショアジギングに興味を持った方の多くが、最初にここでつまずきます。店頭で並んでいる竿はどれも同じくらいの長さに見えるのに、価格は倍以上違う。しかも「S60-3」「J63S-3」「61B-2」のような記号が並び、初心者を置いてけぼりにしてしまうのがジギングロッドの世界です。
先に結論をお伝えすると、最初の1本は「乗る船で使うメタルジグの重さ」に合う竿を、スピニングかベイトかを決めてから選べば大きく外しません。価格はメーカー公式でメジャークラフトのジャイアントキリング1Gが17,490円、ダイワのアウトレイジ XV Jが18,000円と、エントリーでも青物を相手にできる設計の竿がそろっています。そこから上は、軽さや操作性、持ち運びやすさにお金を払うイメージです。
この記事では、シマノ・ダイワ・メジャークラフトの現行ラインナップから7本を選び、公式スペックの数字だけで比較しました。品番の読み方から、釣り方別の選び分け、買ったあとによくある失敗まで、船の上で困らないための情報をまとめています。
・品番の数字(ジグウェイト・PE号数・最大ドラグ)の読み方
・普通のジギングとスロージギングで竿がどう違うか
・17,490円〜の現行7本の公式スペック比較と、読者タイプ別のおすすめ
・初心者がやりがちな失敗2つと、その防ぎ方
オフショアジギングロッドおすすめの選び方は「ジグの重さ」から始める

オフショアジギングロッドは、長さよりも先に「何グラムのジグを扱う竿か」で選びます。船釣りでは船宿ごとに使うジグの重さの目安が決まっていることが多く、そこに合わない竿を持っていくと、ジグがしっかり動かないか、竿が負けてしまうかのどちらかになるからです。
品番の数字は「ジグウェイトの上限」を示している
結論から言うと、ジギングロッドの品番末尾の数字は「どれくらい重いジグまで扱えるか」の目安です。たとえばシマノのグラップラー BB タイプ Jは、S60-2がジグMAX 160g、S60-3がMAX 180g、S60-4がMAX 210g、S60-5がMAX 250g、S56-6がMAX 300gと、数字が1つ上がるごとに対応ジグが重くなっていきます。ダイワのアウトレイジ Jも、J63S-3がMAX180g、J61S-4がMAX220gという並びです。
使い方としては、まず予約する船宿のサイトや電話で「ジグは何グラムを用意すればいいか」を確認し、その重さがジグウェイトの範囲の真ん中から上限寄りに収まる竿を選びます。180gまでのジグを使う釣りなら、グラップラー BB タイプ JのS60-3やアウトレイジ XV JのJ60S-3(MAX180g)が候補に入ります。
注意したいのは、上限ギリギリの重さばかり使うと、しゃくるたびに腕と腰への負担が増えることです。逆に、上限が重すぎる竿で軽いジグを使うと、竿が硬すぎてジグが跳ねず、魚にアピールしにくくなります。「範囲の中に収まっていればOK」ではなく、「よく使う重さが範囲の中央付近に来るか」を見るのがコツです。
スピニングとベイトは「しゃくり方」と「巻き上げ」で選ぶ
初めての1本なら、スピニングかベイトかは「どちらの動作が自分に合うか」で決めて構いません。どちらでも青物は釣れます。違いは主に、重さとジグを落とすときの扱いやすさです。
公式スペックで見ると、グラップラー BB タイプ JはS60-3が自重172g、B60-3が自重142gで、ベイトの方が軽く作られています。一方、アウトレイジ XV JはJ60S-3が182g、J60B-3が185gでほぼ同じです。メーカーやシリーズによって傾向が違うので、「ベイトは必ず軽い」とは言い切れません。
スピニングは、竿を大きくしゃくってからリールを巻く「ワンピッチジャーク」を覚えやすく、ライントラブルも比較的少ないのが利点です。ベイトは、ジグを落とすスピードを親指で調整しやすく、フォール中のアタリを取りやすいので、水深のある釣り場やスロー系の釣りで選ばれます。デメリットとして、ベイトはバックラッシュ(糸がリールの中でからまるトラブル)を起こしやすく、慣れるまで時間がかかります。迷ったら、船宿で借りられるレンタルタックルがどちらなのかを確認し、それと同じタイプを選ぶと練習がそのまま活きます。
長さは6フィート前後が基準になる
オフショアジギングロッドの長さは、6フィート(1.83m)前後が標準です。今回比較した7本のうち、グラップラー BB タイプ J、グラップラー タイプ J、アウトレイジ XV Jの主力モデルはすべて1.83m、アウトレイジ Jのスピニングは1.91m、アウトレイジ SJは1.85mでした。
船の上では、竿が長すぎると隣の人と竿先がぶつかったり、取り込み時に魚を寄せにくかったりします。反対に短すぎると、しゃくり幅が小さくなってジグの動きが単調になりがちです。この6フィート前後という長さは、乗合船(知らない人同士が一緒に乗る船)で扱いやすいバランスの落としどころだと考えてください。
注意点は、重いジグ用の竿ほど短くなる傾向があることです。グラップラー BB タイプ JのS56-6は5’6″(1.68m)、グラップラー タイプ JのS53-8は5’3″(1.60m)と、大型魚とのやり取りを優先した設計になっています。近海の青物狙いで最初に買う1本としては、パワーを持て余しやすいので避けた方が無難です。
継数(ピース数)は「移動手段」で決める
ジギングロッドには、竿が1本でつながった「1ピース」、グリップ部分で分かれる「グリップジョイント」、3つに分かれる「3ピース」があります。車で釣り場に行くなら、どれを選んでも大きな問題はありません。
具体例を挙げると、アウトレイジ SJは継数1で仕舞寸法185cm、グラップラー BB タイプ JのS60-3はグリップジョイントの2本継ぎで仕舞寸法132.6cm、グラップラー タイプ JのS60-3/3は3本継ぎで仕舞寸法69cmです。電車や飛行機で遠征する予定がある方にとって、この差は大きなポイントになります。
一般的に、継ぎ目が少ないほど竿の曲がりが自然になると言われますが、シマノはグラップラーの3ピースについて「スパイラルXやハイパワーXを搭載することで、グリップジョイントモデルと同等の強度を実現」と公式に説明しています。デメリットとしては、3ピースは継ぎ目の数だけ抜けやガタのチェックが必要になり、釣行前に毎回しっかり差し込む手間が増えます。
スペック表の「PE号数」は、その竿に合わせる道糸の太さの目安です。グラップラー BB タイプ JのS60-3ならPE MAX 3号、アウトレイジ XV JのJ60S-3ならPE3.0号が基準。竿・リール・ラインの3つが同じ強さの帯にそろうと、ドラグ(糸が引き出されるブレーキ)の設定も決めやすくなります。
陸から青物を狙うショアジギングと比べると、オフショア用は短く、重いジグを真下に落として操作する前提で作られています。岸から投げる竿との違いが気になる方は、こちらも参考にしてください。

堤防に立って、沖でバシャバシャと魚が跳ねている。あの群れにメタルジグを届けたい——ショアジギングを始めたいと思ったとき、最初にぶつかる壁が「どのロッドを買えばい…
普通のジギングとスロージギング、竿はどう違う?
オフショアジギングには、大きく分けて「ジギング(ワンピッチジャークなどでジグを速く動かす釣り)」と「スロージギング(ジグをひらひらと落として食わせる釣り)」があります。同じジグを使う釣りでも、竿の作りはまったく別物です。
青物狙いの「ジギングロッド」は張りとパワーが持ち味
ブリやカンパチなどの青物を狙うなら、まずは通常のジギングロッドを選びます。ジグを素早く跳ね上げる動作に耐えられる張りと、大型魚とやり取りできるパワーを優先して作られているからです。
シマノのグラップラー タイプ Jは、公式で「ジャーク・レスポンス・強度」のさらなる進化をうたい、アイテムごとにロッドアクションを分析して専用設計を施したと説明しています。最大ドラグの設定値もS60-3で6kg、S60-5で10kgと、パワーの目安が数字で示されています。ダイワのアウトレイジ XV Jも「ジャーク性能とパワーを兼ね備え、中~大型青物に対応」と位置付けられています。
向いているのは、関東近海や日本海のように青物の実績が多いエリアで、乗合船に乗って朝から夕方までジグをしゃくり続けるような釣りです。デメリットは、張りが強い竿ほど一日中しゃくると疲れがたまりやすいことです。竿がジグの重さを受け止めてくれない分、腕で支える場面が増えます。
スロージギングロッドは「曲がって戻る力」でジグを動かす
スロージギングロッドは、竿が大きく曲がってから元に戻る反発力を使ってジグを動かします。自分の腕で大きくしゃくる必要がないため、体力に自信がない方でも一日を通してジグを操作しやすいのが魅力です。
数字で見ると違いが分かりやすく、グラップラー BB タイプ スロー Jは全長1.98m(6’6″)とジギングロッドより長く、B66-2の自重は120gと軽めです。ダイワのアウトレイジ SJは61B-2で自重112g、ジグは150-250gに対応します。重いジグを扱えるのに竿自体が軽いのが、スロージギングロッドの特徴です。
向いているのは、根魚(ハタ類など岩場に付く魚)や、中深場の魚を丁寧に狙いたい方です。一方で注意点もあります。スロージギングロッドはすべてのモデルがベイト専用のことが多く、グラップラー BB タイプ スロー Jもベイトの4アイテムのみです。スピニングリールしか持っていない方は、リールも買い足す必要があります。
初心者はまず「通常のジギングロッド」から始めるのが無難
どちらから始めるか迷ったら、最初の1本は通常のジギングロッドをおすすめします。乗合船の多くは青物狙いの便が中心で、船長の指示もワンピッチジャークを前提に出されることが多いからです。
通常のジギングロッドなら、ジグを速く動かす釣りにも、ある程度ゆっくり誘う釣りにも対応できます。グラップラー BB タイプ Jのように、S60-2からS56-6まで幅広いパワー設定がそろっているシリーズなら、自分の釣り場に合う1本を見つけやすいでしょう。
ただし、通う船宿がスロージギング専門船だったり、根魚狙いが中心だったりする場合は話が別です。その場合は最初からスロージギングロッドを選んだ方が、船長のアドバイスをそのまま実践できます。予約の電話で「どんな竿を使う人が多いですか」と聞いておくと、無駄な買い物を防げます。
失敗パターン:スロー竿を青物船に持ち込んでジグが動かない
よくある失敗が、「軽くて疲れにくそう」という理由でスロージギングロッドを買い、青物狙いの乗合船に持ち込んでしまうケースです。周りの人がワンピッチジャークでジグを速く動かしている中、自分だけジグが思うように跳ねず、釣果に差がついてしまいます。
原因は、スロージギングロッドは竿の反発でジグをふわっと持ち上げる設計になっているため、速いジャークを繰り返すと竿の曲がりが戻りきらないうちに次の動作が始まってしまうことにあります。竿の性能ではなく、釣り方と竿の設計が合っていないのです。
対策はシンプルで、竿を買う前に「乗る船の狙いの魚」と「その船での主流の釣り方」を確認することです。どうしても1本で両方をこなしたい場合は、ワンピッチジャークができる通常のジギングロッドを選び、ゆっくり誘いたい場面ではリールの巻き速度を落として対応する方が、失敗は少なくなります。
スロージギングロッドはベイト専用のシリーズが多く、今回比較したグラップラー BB タイプ スロー Jとアウトレイジ SJもベイトのみのラインナップです。手持ちのスピニングリールを流用する予定なら、購入前に必ずリールシートのタイプを確認してください。
7本を価格・自重・ジグ対応で比べると何が見える?

ここからは、今回選んだ7本を公式スペックの数字だけで並べて比較します。すべてメーカー公式サイトの現行製品ページで確認した値です。
釣りはじめナビ調べ:現行7本の代表モデル比較表
各シリーズから、初心者が最初に選びやすい代表的な1モデルを抜き出して比較しました。価格はメーカー公式サイトに掲載されている価格です。
| シリーズ(代表モデル) | 公式価格 | 自重 | ジグ | 釣り方 |
|---|---|---|---|---|
| ジャイアントキリング1G ジギング(GK1-S62M) | 17,490円 | 164g | 120-210g | ジギング |
| アウトレイジ XV J(J60S-3) | 18,000円 | 182g | MAX180g | ジギング |
| グラップラー BB タイプ J(S60-3) | 21,500円 | 172g | MAX 180g | ジギング |
| グラップラー BB タイプ スロー J(B66-2) | 21,500円 | 120g | MAX 200g | スロー |
| グラップラー タイプ J(S60-3) | 32,000円 | 173g | MAX 180g | ジギング |
| アウトレイジ SJ(61B-2) | 41,600円 | 112g | 150-250g | スロー |
| アウトレイジ J(J63S-3) | 42,800円 | 165g | MAX180g | ジギング |

表を見ると、同じ180g前後のジグに対応するモデルでも、自重は164gから182gまで幅があります。価格の高いモデルほど必ず軽い、というわけではない点に注目してください。
価格帯は大きく3つの層に分かれる
7本は、価格で見ると3つの層に分かれます。1つ目は17,490円のジャイアントキリング1G、18,000円のアウトレイジ XV Jというエントリー層。2つ目は21,500円前後のグラップラー BB シリーズの層。3つ目は32,000円のグラップラー タイプ Jから、42,800円のアウトレイジ Jまでの中上位層です。
エントリー層は「まずオフショアジギングを体験してみたい」方向けで、青物と勝負できる基本性能を押さえています。グラップラー BB は、ジギング・ライトジギング・スロー系の全22アイテムと選択肢が多く、自分の釣り場にぴったりのパワーを選べるのが強みです。中上位層は、軽さ・操作性・疲れにくさといった「一日釣りをしたときの快適さ」に投資する価格帯と考えると分かりやすいでしょう。
注意点として、ここで比べている価格はメーカー公式サイトに載っている価格です。実際の販売店での価格は店舗や時期によって変わります。購入時は複数の店舗を見比べてください。
自重の差は「一日しゃくったときの疲れ」に効いてくる
ジギングロッドの自重の差は、手に持った瞬間より、朝から夕方までしゃくり続けたときにじわじわ効いてきます。ジギングは竿を上下に動かし続ける釣りなので、数十グラムの差が何百回、何千回と積み重なるからです。
通常のジギングロッドで比べると、アウトレイジ XV JのJ60S-3が182g、グラップラー BB タイプ JのS60-3が172g、グラップラー タイプ JのS60-3が173g、アウトレイジ JのJ63S-3が165g、ジャイアントキリング1GのGK1-S62Mが164gです。スロージギングロッドは、アウトレイジ SJの61B-2が112g、グラップラー BB タイプ スロー JのB66-2が120gと、ぐっと軽くなります。
ただし、竿の自重だけで疲れ方が決まるわけではありません。リールを付けたときに重心がどこに来るか、グリップが手になじむかも大切です。実際に店頭でリールを付けた状態で持たせてもらうと、カタログの数字では分からないバランスの違いが見えてきます。
迷ったら「メーカーのリールに合わせる」のも1つの手
7本の中でどうしても決めきれない場合は、すでに持っている、または買う予定のリールと同じメーカーの竿を選ぶのも1つの方法です。同じメーカー同士だと、公式サイトでロッドとリールの組み合わせ例が紹介されていることが多く、バランスの情報を集めやすいからです。
たとえば、シマノのリールを使う予定ならグラップラー BB タイプ Jやグラップラー タイプ J、ダイワのリールならアウトレイジ XV Jやアウトレイジ Jが候補になります。メジャークラフトはリールを作っていないため、どちらのメーカーのリールとも組み合わせやすい中立的な選択肢です。
もちろん、メーカーをまたいで組み合わせても問題なく使えます。大切なのは、竿のPE号数・ジグウェイトと、リールに巻くラインの太さがそろっていることです。メーカーをそろえること自体が目的にならないようにしましょう。
比較表の7本は、すべてメーカー公式サイトで現行販売が確認できたモデルです。メジャークラフトの旧ジャイアントキリング(ライトジギング・マイクロジギング)は公式で生産終了と表示されているので、中古や型落ち品を買うときはシリーズ名の「1G」の有無を確認してください。
エントリー価格帯で選ぶならこの4本
ここからは、7本を1本ずつ詳しく紹介します。まずは、オフショアジギングを始めたばかりの方でも手を伸ばしやすいエントリー価格帯の4本です。
メジャークラフト ジャイアントキリング1G ジギングモデル:疲れにくさ重視の入門機
今回の7本で一番手に取りやすい価格なのが、メジャークラフトのジャイアントキリング1G ジギングモデルです。公式価格は全8モデル共通で17,490円。スピニング4本・ベイト4本がそろっています。
公式では「中弾性カーボンをメインクロスに採用し張りを抑えトルク重視のローレスポンス設計」と説明されています。竿が素早く跳ね返りすぎないように作られているため、ジャークの動作がマイルドになり、腕や腰への負担を抑えられるのが特徴です。GK1-S62Mは6’2″、自重164g、ジグ120-210g、PE1.5-3.0号に対応します。ベイトのGK1-B60Mは自重146gです。
向いているのは、オフショアジギングに初めて挑戦する方や、年に数回の釣行で気軽に楽しみたい方です。竿が1ピースなので、車での釣行を前提にしてください。デメリットとしては、ローレスポンス設計のため、ジグを鋭く跳ね上げたい場面では張りの強い竿に比べて反応が穏やかに感じられる点が挙げられます。スペックの詳細はメジャークラフト公式の製品ページで確認できます。
ダイワ アウトレイジ XV J:上位シリーズの設計思想を持つ入門機
ダイワのアウトレイジ XV Jは、公式が「Outrageならではの高い実釣性能を誇るジギングエントリーロッドの決定版」とうたうモデルです。公式価格は全5モデル共通で18,000円です。
ネジレを抑える技術「BRAIDING X」を採用し、ジャーク時に竿がぶれにくい設計になっています。J60S-3は全長1.83m、2本継ぎで仕舞寸法130cm、自重182g、ジグMAX180g、PE3.0号です。重いジグを使う釣り場向けには、MAX260gまで対応するJ60S-5も用意されています。
向いているのは、ダイワのリールを使っている方や、アウトレイジ Jやソルティガといったダイワのジギングロッドのシリーズをいずれ使ってみたい方です。デメリットは、カーボン含有率が81〜83%と今回の中上位モデルより低く、自重も182gと7本の通常ジギングロッドの中では重めなことです。数字の上では、一日しゃくり続けると差が出やすい部分です。詳細はダイワ公式のアウトレイジ XV J製品ページにまとまっています。
シマノ グラップラー BB タイプ J:選べるパワーの幅が広い定番
シマノのグラップラー BB タイプ Jは、エントリー価格帯の中でもパワー設定の選択肢が多いのが強みです。公式価格はS60-2が21,000円、S60-3が21,500円、S60-4が22,000円、S60-5が22,500円、S56-6が23,500円です。
ブランクス(竿の本体部分)にはハイパワーXを搭載し、公式では「不快なネジレやブレを抑えると同時に、オフショアロッドに必要なレスポンスとパワーを向上」と説明されています。全モデルがグリップジョイントの2ピースで、S60-3は仕舞寸法132.6cm、自重172g、ジグMAX 180g、PE MAX 3号、最大ドラグ6kgです。ベイトのB60-3は自重142gと、スピニングより軽く作られています。
向いているのは、「自分の釣り場で使うジグの重さに、ぴったり合うパワーを選びたい」方です。スピニング・ベイトとも5モデルずつ用意されているので、軽めのジグ中心の近海から、重めのジグを使う釣り場まで対応できます。デメリットは、リールシートがスピニングはUPLOCK、ベイトはDOWNLOCKと固定式で、上位のグラップラー タイプ Jに比べるとグリップまわりの作り込みはシンプルなことです。スペック表はシマノ公式の製品ページで確認できます。
シマノ グラップラー BB タイプ スロー J:手頃にスロージギングを始める1本
スロージギングを手頃な価格で始めたい方には、シマノのグラップラー BB タイプ スロー Jが候補になります。公式価格はB66-1が21,000円、B66-2が21,500円、B66-3が22,000円、B66-4が22,500円です。
全長は1.98m(6’6″)で、ジギングロッドより長めの設計です。B66-2は自重120g、ジグMAX 200g、PE MAX 2号、最大ドラグ4kg。重いジグを使う釣り場向けに、ジグMAX 330gのB66-4もあります。仕舞寸法は150.2cmです。
向いているのは、根魚や中深場の魚をスロージギングで狙ってみたい方、力任せにしゃくる釣りより、ジグの落とし方で食わせる釣りに興味がある方です。デメリットは、ベイトの4アイテムのみのラインナップで、スピニングで使いたい方には選択肢がないこと。また、全長1.98mは今回の7本で一番長いため、混雑した乗合船では取り回しに気を使う場面があります。
| エントリー価格帯のメリット | エントリー価格帯のデメリット |
|---|---|
| 青物と勝負できる基本性能を押さえている パワー違いをそろえやすく、2本目の追加もしやすい 船で傷がついても気持ちの負担が小さい | 中上位モデルに比べて自重が重めのものがある グリップやリールシートの作りはシンプル 一日しゃくると疲れの差が出やすい |
長く使える中上位モデルは何が違うのか

次は、32,000円から始まる中上位の3本です。エントリー機との違いは、軽さ・操作性・疲れにくさといった「長時間の釣りでの快適さ」に表れます。
シマノ グラップラー タイプ J:近海から遠征まで網羅する20アイテム
シマノのグラップラー タイプ Jは、グラップラーシリーズの中核に位置付けられたジギングロッドです。公式価格はS60-2とS60-3が32,000円、S60-4が32,500円、S60-5が33,000円です。
スパイラルXとハイパワーXの2つの強化構造を搭載し、公式では「ジャーク・レスポンス・強度」のさらなる進化を実現したと説明しています。近海で活躍する2〜5パワーモデルには、軽くて強いCI4+素材のリールシートを採用。大物を相手にする6〜8パワーモデルには、しっかり握れるVホールドグリップを搭載しています。S60-3は自重173g、ジグMAX 180g、PE MAX 3号、最大ドラグ6kgです。
向いているのは、オフショアジギングを長く続けるつもりで、最初から1ランク上の竿を持ちたい方です。S53-8のように最大ドラグ16kg、ジグMAX 400gまで対応するモデルもあり、将来的に遠征で大型魚を狙うときにもシリーズ内で買い足せます。デメリットは、S60-3の自重がグラップラー BB タイプ JのS60-3とほぼ同じで、「軽さ」を期待して選ぶと差を感じにくい点です。違いはグリップやリールシートの握りやすさ、竿の調子の作り込みにあります。
ダイワ アウトレイジ J:ソルティガの設計思想を受け継ぐ軽量ジギングロッド
ダイワのアウトレイジ Jは、公式で「SALTIGAの設計思想を引き継いだハイスタンダードのオフショアジギングロッド」と位置付けられています。公式価格はJ63S-2.5が42,500円、J63S-3が42,800円、J61S-4が43,100円、J61S-5が43,400円です。
ネジレを抑えるX45、V-JOINT、HVFナノプラスといったダイワの技術を投入しています。J63S-3は全長1.91m、自重165g、ジグMAX180g、PE MAX3号で、同じジグ対応のアウトレイジ XV J(J60S-3・182g)より軽く仕上がっています。
向いているのは、ダイワのリールを使っていて、一日中しゃくっても疲れにくい竿を求める方です。スピニングは1.91mと少し長めなので、しゃくり幅を大きく取りたい方にも合います。デメリットは、7本の中で一番高い価格帯にあることです。初めての釣行でいきなり選ぶよりも、何度か船に乗って自分の好きなジグの重さや釣り方が固まってから選ぶと、価格に見合った満足感を得やすいでしょう。製品情報はダイワ公式のアウトレイジ J製品ページで確認できます。
ダイワ アウトレイジ SJ:軽さで選ぶスロージギングロッド
スロージギングを本格的に楽しみたい方には、ダイワのアウトレイジ SJが候補になります。公式価格は61B-00が40,700円、61B-1が41,300円、61B-2が41,600円、61B-3が41,900円です。
公式では「SALTIGAの設計思想を引き継いだハイスタンダードシリーズ」とされ、HVFナノプラス、X45フルシールド、ZERO_SEATリールシートを採用しています。61Bシリーズはすべて全長1.85m・1ピースで、61B-2は自重112g、ジグ150-250g、PE MAX2.0号。ジグ80-150gの61B-00から、250-800gの61B-6まで幅広いパワーがそろっています。
向いているのは、スロージギングを軸に釣りを続けたい方や、重いジグを軽い竿で扱いたい方です。61B-2の自重112gは、今回の7本で一番軽い数字です。デメリットは、1ピースで仕舞寸法185cmのため、車での釣行が前提になること。また、ベイト専用なので、スピニングリールは使えません。
3ピースという選択肢:遠征派はグラップラー タイプ Jの並継モデル
飛行機や電車で遠征する予定がある方は、グラップラー タイプ Jの3ピースモデルを検討してみてください。公式価格はS60-3/3が36,000円、S60-4/3が37,000円、S60-5/3が38,000円、ベイトのB60-3/3が37,000円です。
S60-3/3は仕舞寸法69cmで、2ピースのS60-3(132.6cm)の約半分の長さに収まります。自重は174gで、S60-3の173gとほぼ変わりません。シマノは公式で、スパイラルXやハイパワーXの搭載によって「3ピース=重い」という常識を覆したと説明しています。
向いているのは、離島や遠方の船宿へ公共交通機関で行く方や、車の荷室が小さい方です。デメリットは、同じパワーの2ピースモデルより価格が高く設定されていることと、継ぎ目が増える分、釣行ごとの差し込み確認が欠かせないことです。
意外と知られていないけれど、同じジグ対応のモデル同士なら、最大ドラグやジグウェイトの上限はエントリー機と中上位機でほぼ同じです。たとえばグラップラー BB タイプ Jとグラップラー タイプ JのS60-3は、どちらもジグMAX 180g・最大ドラグ6kg。価格差は「耐えられる魚の大きさ」ではなく、握りやすさ・調子の作り込み・軽さに払うものだと考えると、選び方がすっきりします。
あなたに合う1本は?読者タイプ別の選び方
ここまでの7本を、読者のタイプ別に整理します。自分に近いタイプを見つけて、候補を2本程度まで絞り込んでみてください。
初めて乗合船に乗る人は「レンタルと同じタイプ」を選ぶ
初めて乗合船に乗る方には、ジャイアントキリング1G ジギングモデルか、アウトレイジ XV Jをおすすめします。公式価格はそれぞれ17,490円と18,000円で、はじめの1本として手を出しやすい価格帯です。
最初の釣行は、竿の性能よりも「船の上でジグを落として、しゃくって、巻く」という一連の動作に慣れることが大切です。ジャイアントキリング1Gはローレスポンス設計で腕への負担を抑えており、アウトレイジ XV Jはネジレを抑える設計で動作が安定しやすいので、どちらも練習用として向いています。
注意点として、船宿によっては推奨するジグの重さが200gを超えることもあります。その場合、ジャイアントキリング1GならGK1-S62MH(ジグ150-260g)、アウトレイジ XV JならJ60S-5(MAX260g)のように、パワーの高いモデルを選んでください。
近海の青物を本気で狙う人はグラップラー BB タイプ Jかグラップラー タイプ J
ブリやヒラマサなど、近海の青物をシーズンごとに狙いたい方には、グラップラー BB タイプ Jかグラップラー タイプ Jが合います。どちらもS60-2からS56-6(グラップラー タイプ JはS53-8まで)と、パワー違いのモデルが細かくそろっているからです。
通う船宿で使うジグの重さに合わせてパワーを選べるので、「少し重いジグにも対応したい」「軽めのジグで繊細に誘いたい」といった好みに応じて1本を決められます。グラップラー BB タイプ JのS60-3は21,500円、グラップラー タイプ JのS60-3は32,000円です。
どちらにするか迷ったら、握りやすさを重視するかどうかで決めてください。グラップラー タイプ Jは2〜5パワーにCI4+リールシートを採用しており、長時間握ったときの疲れにくさに配慮されています。釣行回数が年に数回なら、グラップラー BB タイプ Jでも十分に楽しめます。
根魚や中深場をじっくり狙う人はスロージギングロッド
ハタ類などの根魚や、中深場の魚をじっくり狙いたい方は、スロージギングロッドを選びます。手頃に始めたいならグラップラー BB タイプ スロー J(B66-2・21,500円)、軽さと操作性を重視するならアウトレイジ SJ(61B-2・41,600円)です。
スロージギングでは、ジグをひらひらと落とし、フォール中に食わせるのが基本です。竿の反発を使ってジグを持ち上げるため、腕の力に頼らずに一日を通して誘い続けられます。体力に不安がある方や、年配の方にも向いている釣り方です。
注意点として、スロージギングロッドはどちらもベイト専用です。ベイトリールの扱いに慣れていない方は、釣行前に公園や自宅のベランダなどで、ジグを付けずにクラッチを切ってラインを出す練習をしておくと、船の上で慌てずに済みます。
電車・飛行機で遠征する人は3ピースモデル
公共交通機関で遠征する方には、グラップラー タイプ Jの3ピースモデルが候補になります。S60-3/3なら仕舞寸法69cmで、ロッドケースに入れて持ち運びやすいサイズに収まります。
2ピースのグリップジョイントモデルでも、グラップラー BB タイプ JのS60-3で仕舞寸法132.6cmあり、電車での持ち運びは不可能ではありませんが、混雑した車内では周りへの気遣いが必要です。1ピースのアウトレイジ SJ(仕舞185cm)やジャイアントキリング1Gは、車での釣行が前提になります。
遠征先の船宿でレンタルタックルが借りられる場合もありますが、自分の竿を持っていくと、使い慣れた道具で釣りに集中できます。遠征の頻度が高い方ほど、3ピースに投資する価値は大きくなります。
買ってから後悔しないための失敗パターンと安全の備え
最後に、竿を買ってから実際に船に乗るまでに知っておきたい注意点をまとめます。竿選びと同じくらい、使い方と準備が釣果と安全を左右します。
失敗パターン:ドラグを締めすぎて竿やラインを傷める
よくある失敗が、「大物に走られたくない」という気持ちからリールのドラグを強く締めすぎてしまうケースです。青物が掛かった瞬間に一気に引き込まれ、ラインが切れたり、竿に過度な負担がかかったりします。
原因は、竿の「最大ドラグ」の数値を確認していないことです。グラップラー BB タイプ Jなら、S60-2が5kg、S60-3が6kg、S60-4が8kg、S60-5が10kgと、竿ごとに推奨されるドラグの上限が決まっています。リールのドラグをこれより強く設定すると、竿の設計を超えた負担がかかります。
対策は、釣行前に竿のスペック表で最大ドラグを確認し、リールのドラグをそれ以下に設定しておくことです。ドラグの強さは、ラインを手で引き出したときの感触だけでは分かりにくいので、ばねばかりなどで一度確認しておくと安心です。船長が設定を見てくれる船宿もあるので、分からなければ遠慮なく聞いてみましょう。
竿だけ高くしても釣れない:ラインとリーダーのバランス
竿に予算をかけても、ラインとリーダーのバランスが合っていないと、竿の性能は発揮されません。竿のスペック表には適合するPE号数が書かれているので、それに合わせてラインを選ぶのが基本です。
たとえば、グラップラー BB タイプ JのS60-3はPE MAX 3号、アウトレイジ SJの61B-2はPE MAX2.0号です。上限より太いラインを巻くと、ジグの沈みが遅くなったり、潮に流されやすくなったりします。逆に細すぎると、大型魚とのやり取りでラインが切れるリスクが高まります。
リーダー(PEラインの先に結ぶ、傷に強いナイロンやフロロカーボンの糸)の太さも、PEラインとのバランスで決まります。ラインとリーダーの組み合わせは、こちらの記事で詳しく解説しています。

リールにPEラインを巻いたはいいものの、その先に結ぶリーダーで手が止まっていませんか。「何号を選べばいいのか」「そもそも本当に必要なのか」「結び方が難しそう」—…
ライフジャケットは「桜マーク付き」が必須
オフショアジギングで竿と同じくらい大切なのが、ライフジャケットです。国土交通省は関係法令を改正し、平成30年2月からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用を義務化しています。
着用するのは、国の安全基準への適合が確認された「桜マーク」付きのライフジャケットです。桜マークがあるライフジャケットの中でも、すべての小型船舶で使用可能なのはタイプAとされています。国土交通省は、ライフジャケットを着用することで海中転落時の生存率が2倍以上になると案内しています。詳しくは国土交通省「ライフジャケットの着用義務拡大」のページで確認できます。
注意点として、船宿によってはレンタルのライフジャケットを用意していることもありますが、自分の体に合うものを1着持っておくと安心です。桜マークの種類とタイプの違いは、こちらの記事にまとめています。

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釣行後の真水洗いで竿を長持ちさせる
ジギングロッドを長く使うためには、釣行後の手入れが欠かせません。海水に含まれる塩分がガイド(ラインを通す輪)やリールシートに残ると、サビや固着の原因になるからです。
釣行から帰ったら、竿全体をシャワーなどの真水でやさしく洗い流し、特にガイドのまわりとリールシートのネジ部分は念入りに塩分を落とします。そのあと、柔らかい布で水分を拭き取り、日陰でしっかり乾かしてから収納してください。グリップジョイントや3ピースのモデルは、継ぎ目の部分に砂や塩が入り込みやすいので、分解して洗うのがポイントです。
やってしまいがちなのが、疲れて帰宅したあと、ロッドケースに入れたまま翌週まで放置することです。湿ったままケースにしまうと、塩分と湿気で傷みが進みます。次の釣行を気持ちよく迎えるためにも、帰宅した日のうちに洗っておきましょう。
竿のスペック表にある「最大ドラグ」は、その竿で推奨されるドラグ設定の上限です。グラップラー BB タイプ JのS60-3なら6kg。リールのドラグをこれより強く締めると、竿やラインに設計以上の負担がかかります。釣行前に一度、スペック表と照らし合わせておきましょう。
ショアジギングのロッド選びは、予算別6本の比較をこちらにまとめています。

まとめ
最初の一歩は、行ってみたい船宿を1つ決めて、「何グラムのジグを用意すればいいですか」と問い合わせることです。その答えがジグウェイトの範囲に収まる竿を今回の7本から選べば、初めての青物との出会いにぐっと近づけます。
※価格・スペックは2026年9月時点のメーカー公式サイト掲載情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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