「ダイワのショアジギングロッドが欲しいけれど、ドラッガーだけでX・MX・SXと名前が並んでいて違いがわからない」「店頭で96Mと100MHを持ち比べたものの、どちらが自分の釣り場に合うのか決めきれない」。堤防から青物を狙ってみたいと思った人が最初につまずくのが、この型番の多さです。
先に結論を言うと、ダイワのショアジギングロッドは「価格帯(シリーズ)」→「釣り場とジグの重さ(番手)」の順に2段階で絞ると迷いません。初めての1本なら、メーカー希望本体価格16,500円のショアジギングXか、23,000円からのドラッガーXの中から、30〜40g前後のジグを快適に投げられるM〜MHクラスを選ぶのが失敗の少ない入口です。
この記事では、ダイワ公式サイトに掲載されている現行のショアジギング用ロッドを、エントリーのショアジギングXから最上位のドラッガーEXまで価格・自重・ルアー重量の数値で並べて比較します。さらに長さや硬さの表記の読み方、港湾向けと磯・サーフ向けの選び分け、実際によくある購入の失敗例まで、釣り歴10年の目線で整理しました。
・ダイワ現行ショアジギングロッドの全シリーズと価格帯の違い
・最初の1本にショアジギングXとドラッガーXのどちらを選ぶべきか
・96M/100MHなど番手表記の読み方と、釣り場別の長さ・硬さの正解
・購入前にやりがちな失敗パターンと、その避け方
ダイワショアジギングロッドの現行ラインナップは?価格帯で見る全体像

まずは全体の地図を頭に入れておきましょう。ダイワ公式サイトの「ロッド×ソルトウォータールアー(ショア)」の製品一覧を確認すると、ショアジギング向けに分類されているシリーズは、エントリーからハイエンドまで段階的に並んでいます。
エントリーからハイエンドまで「5段階」で並ぶと考えるとわかりやすい
結論として、ダイワのショアジギングロッドは「ショアジギングX → ドラッガーX → ドラッガーMX → ドラッガーSX → ドラッガー ブレイクスルー/ドラッガーEX」という5段階の階段として捉えるのが一番わかりやすいです。
根拠は価格の並びです。ショアジギングXは16,500円〜17,700円、ドラッガーXは23,000円〜37,500円、ドラッガーMXは28,500円〜35,000円、ドラッガーSXは51,000円〜70,000円、ドラッガー ブレイクスルーは69,000円〜79,500円、そしてドラッガーEXは112,000円〜115,000円(いずれもメーカー希望本体価格)です。階段を1つ上がるごとに、ブランクの素材や補強構造がグレードアップしていきます。
使い方としては、「自分の予算でどの段まで届くか」をまず決めてしまうことです。予算が決まれば候補は1〜2シリーズに絞れるので、残りは番手選びに集中できます。
注意したいのは、上の段ほど「誰にでも扱いやすい」わけではない点です。ブレイクスルーやEXはPE6号以上を使う番手が中心で、大型魚との勝負を想定した設計です。堤防で30g前後のジグを投げる用途には、むしろ持て余してしまいます。
釣りはじめナビ調べ|シリーズ別の価格・自重・ルアー重量の比較表
シリーズ同士の違いは、数値を横に並べると一目でわかります。ここでは各シリーズの代表的な番手をピックアップし、ダイワ公式のスペック表からそのまま転記しました。
| シリーズ(代表番手) | 本体価格 | 全長/自重 | ルアー重量/PE |
|---|---|---|---|
| ショアジギングX 96M | 16,500円 | 2.9m/275g | 10〜50g/1〜2号 |
| ドラッガーX 96M | 23,700円 | 2.9m/255g | 15〜60g/1.5〜2.5号 |
| ドラッガーMX 96M | 29,000円 | 2.90m/218g | MAX60g/2.5号 |
| ドラッガーSX 100M | 51,500円 | 3.05m/233g | MAX60g/1.5〜3号 |
| ドラッガー ブレイクスルー 100MH-3 | 69,000円 | 3.05m/365g | 20〜80g/2〜4号 |
| ドラッガーEX 98HHF-3 | 112,000円 | 2.95m/400g | 50〜120g/4〜6号 |

表から読み取れる結論は、「同じ96Mでも上位ほど軽い」ということです。ショアジギングX 96Mの275gに対し、ドラッガーMX 96Mは218gと、50g以上の差があります。ジグを何百回もしゃくり続けるショアジギングでは、この差が夕方の腕の疲れとしてはっきり表れます。
一方で、ブレイクスルーやEXは自重が360〜400g台と重くなっています。これは手抜きではなく、PE4〜6号以上で大型の青物を止めるための強度を優先した結果です。重さの数字だけで上位・下位を判断しないようにしましょう。
旧モデル「ジグキャスター」は今どう扱えばいい?
結論から言うと、ジグキャスターは「中古で見かける旧モデル」と考えるのが無難です。ショアジギングの入門竿として長く名前を見かけたシリーズですが、2026年10月7日時点でダイワ公式サイトのショア用ロッド一覧(48件)を確認したところ、ジグキャスターの名前は掲載されていませんでした。
ネット検索やフリマアプリでは今もジグキャスターやジグキャスターMXの出品を見かけますが、新品で買える現行品としてはショアジギングXやドラッガーXが入門の受け皿になっていると考えてよいでしょう。
中古でジグキャスターを買う場面があるとすれば、「とにかく予算を抑えて、まず1回ショアジギングを体験してみたい」というケースです。ただし、ガイドのリングの欠けや継ぎ目のヒビは写真ではわかりにくく、キャスト中の破損につながります。
中古を選ぶなら、出品写真でガイドリングとグリップ周りを拡大して確認し、保証のない個人売買では「消耗品として割り切れる金額か」で判断してください。初めての1本なら、メーカー保証のある現行品から選ぶほうが結果的に安心です。
ダイワ以外のメーカーも含めてショアジギングロッドを比較したい人は、こちらの記事も参考にしてください。

堤防に立って、沖でバシャバシャと魚が跳ねている。あの群れにメタルジグを届けたい——ショアジギングを始めたいと思ったとき、最初にぶつかる壁が「どのロッドを買えばい…
最初の1本はどれ?ショアジギングXとドラッガーXの違い
入門者が最も迷うのが、ショアジギングXとドラッガーXのどちらを選ぶかです。価格差はありますが、性格もはっきり違います。
予算を最優先するならショアジギングXの96Mが入口になる
結論として、「まず道具をそろえて、ショアジギングが自分に合うか試したい」という人にはショアジギングXの96Mが合っています。メーカー希望本体価格は16,500円で、ダイワの現行ショアジギング専用ロッドの中では入口となる価格です。
スペックを見ると、全長2.9m・自重275g・ルアー重量10〜50g・PE1〜2号。公式では「高品質なショアジギングロッドのエントリーモデル」と位置づけられ、投げやすい調子を採用しています。バット部分をカーボンテープでX状に補強するBRAIDING Xを採用し、ねじれを抑えて強度と操作性を高めているのが特徴です。ガイドはKガイドでライントラブルを減らす設計です。
向いているのは、週末に近所の漁港や堤防で、20〜40g程度のジグを投げてサバ・ワカシ・イナダクラスを狙う人です。ラインナップは96M・96MH・100MH・96Hの4本で、選択肢が少ないぶん迷いにくいのも初心者向きのポイントです。
注意点は、自重が同じ長さのドラッガーXより重いことです。96M同士で比べるとショアジギングXが275g、ドラッガーX が255gです。1日中しゃくり続ける釣りに慣れてくると、この差が気になってくるかもしれません。
長く使うつもりならドラッガーXの方が番手を選べる
「せっかく始めるなら1〜2年は買い替えずに使いたい」という人には、ドラッガーXをおすすめします。ラインナップが13アイテムと多く、2本継ぎ・3本継ぎに加えて仕舞116〜125cmのT付きモデルまで選べるため、自分の釣り場にぴったり合う番手を見つけやすいからです。
公式の説明では「ハイパワーなのに疲れにくく、トラブルレスなショアジギングのエントリーロッド」。BRAIDING Xに加え、リールシートには軽量・高強度のAIR SENSOR SEATを採用しています。価格は96MLの23,000円から、2本継ぎの最上位100Hでも24,600円です。
具体的には、堤防メインなら96Mか100M、サーフや足場の高い場所で遠投したいなら100MH、重めのジグで大型を狙うなら100Hと、ステップアップの道筋を描きやすいのが魅力です。
デメリットとして、選択肢が多いぶん番手選びで迷いやすくなります。迷ったら「よく行く釣り場で一番使うジグの重さ」を基準に、その重さがルアー重量の中央付近に来る番手を選ぶと外しにくいです。
| ドラッガーXのメリット | ドラッガーXのデメリット |
|---|---|
| 13アイテムから釣り場に合う番手を選べる 96M同士でショアジギングXより20g軽い 3本継ぎ(仕舞107cm)で電車釣行にも対応 | ショアジギングXより価格が上がる 選択肢が多く番手で迷いやすい T付きモデルは34,500円からと上位並みの価格 |
失敗パターン①:「強そうだから」とHを買い、30gのジグが投げにくくなる
入門者に多い失敗が、「青物は引きが強いから硬い竿の方が安心」と考えてH(ヘビー)番手を選んでしまうケースです。たとえばドラッガーX 100Hはルアー重量30〜90g・PE3〜4号の設計です。ところが実際に通う堤防では30g前後のジグしか使わず、竿がほとんど曲がらないまま投げることになります。
原因は、竿の硬さを「魚の強さ」だけで選び、「普段投げるジグの重さ」を基準にしなかったことです。ロッドはルアーの重みで曲がり、その反発で飛ばします。ルアー重量の下限ギリギリのジグでは竿が十分に曲がらず、飛距離が伸びないうえに、しゃくった時のジグの動きも小さくなりがちです。
対策はシンプルで、「よく使うジグの重さ」がルアー重量の範囲の真ん中あたりに来る番手を選ぶことです。30〜40gを中心に使うならM(15〜60g)やMH(20〜70g)が素直に扱えます。60g以上のジグを日常的に使う釣り場に通うようになってから、HやHHを追加しても遅くありません。
逆に、MLクラスで60gのジグを投げるのは竿の許容範囲を超えるため破損の原因になります。「軽すぎても重すぎてもダメ」という感覚を持っておきましょう。
ルアー重量の上限を超えたジグをフルキャストするのは、竿の破損につながる代表的な使い方です。「MAX60g」の竿で60gを投げるなら、振り抜く力を少し抑えるくらいの余裕を持ちましょう。
港湾・堤防メインならドラッガーMXが軽さで有利な理由

ドラッガーXとドラッガーSXの間に位置するのがドラッガーMXです。公式で「港湾部に特化した軽量設計のショアジギングロッド」とうたわれている、少し性格の尖ったシリーズです。
96Mで218g、同じ長さのドラッガーXより37g軽い
ドラッガーMXの一番の強みは軽さです。96Mの自重は218gで、ドラッガーX 96Mの255gと比べて37g軽く、ショアジギングX 96Mの275gと比べると57gも軽量です。
この軽さを生んでいるのが、ブランクに使われたHVFカーボンと、±45°の斜めにカーボン繊維を巻いてねじれを防ぐX45という構造です。公式説明では「ドラッガーシリーズらしい引き出す力と、快適な操作性を両立した軽快な先調子のバランス」と表現されています。リールシートはAIR SENSOR SEATです。
向いているのは、足場の良い港湾部や堤防で、朝マヅメ(夜明け前後の魚の活性が上がる時間帯)の短時間に集中してしゃくり続けるスタイルの人です。体力に自信がない人や、女性・年配の方にも扱いやすい重さです。
デメリットは、価格が93MLの28,500円から100Hの31,500円とドラッガーXより一段上がる点です。また、ルアー重量は「MAX45g/60g/70g/90g」という上限表記で、下限は公式スペックに示されていません。軽いジグを多用する人は、ML〜Mクラスを中心に検討しましょう。
93MLから107HBまで12アイテム、ベイトモデルがあるのも特徴
ドラッガーMXのラインナップは12アイテム。スピニングは93ML・100ML・96M・103M・106M・96MH・100MH・96H・100Hの9本、ベイトは103MB・106MHB・107HBの3本です(品名末尾のBがベイトモデル)。
全長は93MLの2.82mから107HBの3.23mまで。仕舞寸法は146cm〜166cmで、すべて2本継ぎです。PEラインは番手ごとに上限が示され、MLは2.0号、Mは2.5号、MHは3.0号、Hは4.0号までとなっています。
使い分けの目安としては、足元から水深がある港湾部なら取り回しの良い93MLや96M、少し沖のブレイク(海底が急に深くなる駆け上がり)まで届かせたい堤防なら103Mや106Mが候補になります。
注意点は、ベイトモデルを初心者がいきなり選ぶとバックラッシュ(リールの糸が絡まるトラブル)に悩まされやすいことです。ベイトの価格は103MBの33,000円からで、スピニングより上がる点も踏まえて、まずはスピニングから始めるのが無難です。
実は、ショアジギングでは「軽い竿=弱い竿」とは限りません。上位シリーズほど高密度カーボンや補強構造で、同じ強さを少ない素材量で実現しています。店頭で持ち比べる時は、竿先ではなくリールシート付近を持って振ったときの「先重り感」を比べると、カタログの自重以上の差を感じ取れます。
ドラッガーXとMX、どちらを選ぶかの判断基準
結論として、「釣り場の幅を広げたい人はドラッガーX、港湾部で軽さを優先したい人はドラッガーMX」と覚えておけば迷いません。
理由は両者の設計思想の違いです。ドラッガーXは100H・100H-3・T100H-3のように30〜90g、30〜100gまで扱える重めの番手も揃え、サーフや磯にも対応できる守備範囲の広さがあります。一方のドラッガーMXは港湾部に特化し、軽さと操作性を優先しています。
具体的な場面で言えば、「普段は近所の漁港、年に数回は外洋に面した堤防にも行く」という人ならドラッガーXの100Mや100MH。「通うのは決まった大型堤防で、40g前後のジグを中心にとにかく手返しよく釣りたい」という人ならドラッガーMXの96Mや100MLがはまります。
ただし、同じ価格帯でも好みは分かれます。軽い先調子は操作が楽な反面、魚が掛かった後に竿全体で引きを吸収する感覚はドラッガーXの方が好きだという人もいます。可能なら釣具店で両方を持ち比べてから決めるのが一番です。
大型青物を狙うならドラッガーSX・ブレイクスルー・EXのどれ?
「ブリクラスを磯から獲りたい」「ヒラマサを本気で狙いたい」という段階になると、5万円を超える上位シリーズが視野に入ります。ここでは3シリーズの違いを整理します。
ドラッガーSXは16アイテムで「軽量ML」から「XH」まで網羅する中核モデル
ドラッガーSXは、公式で「さらなる大物へアプローチ。リアルなルアー操作性と、粘り強いリフトパワーを持つショアジギングロッド」と説明されている上位モデルです。16アイテムと、ダイワのショアジギングロッドの中で最も番手が多いシリーズです。
素材には高密度カーボンのHVF NANOPLUSを使い、X45に加えて継ぎ目部分にもバイアス構造を施したV-JOINTを採用しています。カーボン含有率は97〜99%です。100MLは自重202g・MAX50gと、ドラッガーMXの100ML(222g)よりさらに軽く仕上がっています。
番手は100MLの51,000円から、PE6〜8号でMAX160gまで扱う107XHB-3の70,000円まで。98MH JS(MAX80g)や95H JS(MAX100g)のように、品名に「JS」とつくモデルも用意されています。
注意点は、価格が上がるぶん「何でもできる1本」を求めがちになることです。SXは番手ごとに得意分野がはっきり分かれているので、狙う魚と釣り場を決めてから番手を選ばないと、せっかくの性能を活かしきれません。
ブレイクスルーとEXは「大型魚に主導権を渡さない」ための専用機
ドラッガー ブレイクスルーとドラッガーEXは、磯や外洋に面した釣り場で大型魚と勝負するためのシリーズです。ブレイクスルーは全6アイテムで69,000円〜79,500円、EXは全3アイテムで112,000円〜115,000円です。
ブレイクスルーはダイワ独自の曲がり解析ESS、X45フルシールド、V-JOINTα、HVF NANOPLUSを採用し、全モデルが3本継ぎ・カーボン含有率99%です。83XXH-3は70〜210g・PE6〜10号と、ショアからの大型ヒラマサやマグロ類を想定した番手まであります。
ドラッガーEXは公式の発売予定時期が2026年10月となっている新しいシリーズです。X45フルシールド、HVF NANOPLUS、V-JOINTα、チタンフレームガイドを採用し、ブランクの「靭性」を強化して、アングラーが主導権を握るファイトを実現すると説明されています。91XXHF-3はルアー重量60〜280g・PE6〜10号の設計です。
デメリットは、初心者が手を出すと持て余す点に尽きます。98HHF-3でも自重400g・ルアー重量50〜120gで、堤防で30〜40gのジグを投げる釣りには合いません。「憧れの1本」として眺めるのは楽しいですが、最初の竿としては選ばないでください。
| 比較項目 | ドラッガーSX | ドラッガー ブレイクスルー | ドラッガーEX |
|---|---|---|---|
| アイテム数 | 16 | 6 | 3 |
| 本体価格 | 51,000円〜70,000円 | 69,000円〜79,500円 | 112,000円〜115,000円 |
| 対応PE | 1〜8号 | 2〜10号 | 4〜10号 |
| 継数 | 2本継ぎ中心+3本継ぎ | 全モデル3本継ぎ | 全モデル3本継ぎ |
| 向いている人 | 堤防〜磯で中〜大型青物 | 磯から大型ヒラマサ・ブリ | モンスター級との勝負 |
上位シリーズへのステップアップは「不満が出てから」で間に合う
結論として、上位シリーズに買い替えるタイミングは「今の竿で具体的な不満が出た時」で十分です。
理由は、ショアジギングの釣果を左右するのは竿の価格よりも、釣り場選び・時合(魚の食いが立つ時間帯)・ジグの重さとカラーの選択だからです。ドラッガーXやMXでも、PE2〜3号の範囲で青物は十分に取り込めます。
ステップアップを考えてよいサインは、「60g以上のジグを毎回使うようになった」「磯に通うようになりPE4号以上が必要になった」「1日しゃくると翌日に腕が上がらない」などです。不満の中身がはっきりしていれば、SXの100MHを選ぶのか、ブレイクスルーの100H-3を選ぶのか、自然と答えが出ます。
注意したいのは、上位モデルにしたからといって飛距離が何十mも伸びるわけではない点です。投げ方のフォームやラインの太さの影響の方が大きいことも多いので、まずは今の竿を使い込んでから判断しましょう。
20〜30gで青物を狙うSLSJという選択肢
ここ数年で人気が広がっているのが、SLSJ(スーパーライトショアジギング)です。ダイワにはドラッガーX SLSJとドラッガーSX SLSJという2つの専用シリーズがあります。
SLSJとは?細いPEと軽いジグで青物を狙う「ライトな」ショアジギング
SLSJは、20g前後のメタルジグと細いPEラインを使って、堤防などから青物を狙うライトなスタイルです。ダイワ公式でも、手軽さ・スリリングなやり取り・飛距離・ナチュラルなルアーの見せ方を魅力として紹介しています。
通常のショアジギングより道具が軽いため、1日投げ続けても疲れにくく、サバやワカシ、カマスなど小型の回遊魚が中心の日でも釣りそのものを楽しめます。PEラインは0.4〜1.0号と、通常のショアジギングロッドの1〜3号より細い設定です。
向いているのは、「ショアジギングに興味はあるけれど、重い竿を振り続けるのはしんどそう」という人や、ファミリーで堤防に行った際にお父さん・お母さんが青物も狙いたいというケースです。
注意点として、細いPEラインを使う以上、メジロやブリクラスが掛かった時に取り込めない場面も出てきます。根ズレ(ラインが岩や海底に擦れること)の多い磯場では不利なので、足場の良い堤防で使うのが基本です。
ドラッガーX SLSJは自重109gから、エギングロッド並みの軽さ
入門向けのドラッガーX SLSJは、84M・94M・93M-Sの3アイテムです。自重は84Mで109g、94Mでも127gと、通常のショアジギングロッドの半分以下の重さに収まっています。
公式の説明は「エギングロッドのような軽快な操作性と、それに見合わぬ青物に対応し、30gのジグをフルキャストできる豊かなパワーと強度が特徴」。ルアー重量は全番手MAX30g、PEは0.4〜1.0号です。BRAIDING X・HVFカーボン・X45を採用し、カーボン含有率は98%です。価格は84Mが24,500円、94Mが25,500円、93M-Sが26,500円です。
使い分けは、足場の低い漁港や小規模な堤防なら取り回しの良い84M(2.54m)、少しでも沖を狙いたい大型堤防なら94M(2.84m)が目安です。93M-Sは全長2.82m・自重125gで、シリーズ全体として繊細な穂先と細いPEでトラブルが少ない設計とされています。
デメリットは、30gを超えるジグが使えないことです。風が強い日や潮が速い日は、30gでも底が取りにくい釣り場があります。「通常のショアジギングロッドの代わり」ではなく「もう1本の選択肢」として考えるのが正しい付き合い方です。
ドラッガーSX SLSJは全番手42,500円、軽さと感度を突き詰めた上位版
ドラッガーSX SLSJは、公式で「フィネスで青物!シャープなのにハイパワーなスーパーライトショアジギング用ロッド」と紹介される上位版です。番手はX SLSJと同じ84M・94M・93M-Sの3つで、価格はいずれも42,500円です。
素材はSVFカーボンで、X45とAIR SENSOR SEATを組み合わせています。自重は84Mが104g、94Mと93M-Sが115gで、ドラッガーX SLSJの同番手より5〜12g軽く仕上がっています。カーボン含有率は99%です。
向いているのは、SLSJをすでに楽しんでいて「もっと軽く、もっとジグの動きを手元で感じたい」という人です。小さなアタリを取りたいカマスや小型の回遊魚狙いで、繊細な穂先の差が活きてきます。
注意点は、入門者がいきなり選ぶ必要はないことです。ルアー重量やPE号数の範囲はX SLSJと共通なので、「対応できる釣り」の幅は変わりません。まずはX SLSJで釣りのスタイルが自分に合うか確かめてからでも遅くありません。
通常のショアジギングロッドとSLSJロッドの「2本持ち」という考え方
意外と知られていないけれど、ショアジギングに通い慣れた人ほど「通常ロッド+SLSJロッド」の2本を持って釣り場に行くことが多いです。
理由は、同じ釣り場でも日によって魚のサイズやベイト(魚が食べている小魚)の大きさが大きく変わるからです。イワシなど小さなベイトに付いている日は20g前後の小さなジグにしか反応しないことがあり、逆に大型が回ってきた日は40g以上のジグで遠くを探りたくなります。
具体的な組み合わせ例としては、ドラッガーX 100M(15〜60g)とドラッガーX SLSJ 94M(MAX30g)の2本立て。ジグの重さの守備範囲がきれいに分かれ、どちらも2本継ぎで持ち運びもしやすくなります。
デメリットは、リールやラインも2セット必要になり、出費と荷物が増えることです。最初から2本そろえる必要はありません。1本目を使い込み、「軽いジグでしか釣れない日」が何度かあったら2本目を検討する、という順番で十分です。
長さ・硬さ・継数はどう決める?番手表記の読み方
ダイワのロッドの品名は「96M」「100MH-3」「106MHB」のように、数字とアルファベットの組み合わせでできています。この読み方がわかると、カタログを見るのが一気に楽になります。
「96」「100」は長さ、2.9mと3.05mの違いは飛距離と取り回し
品名の最初の数字は長さをフィートとインチで表しています。「96」は9フィート6インチで、ダイワ公式スペックでは全長2.9m。「100」は10フィートで3.05m、「106」は10フィート6インチで3.20mです。
長い竿ほど遠くまでジグを飛ばしやすく、足場の高い堤防やサーフで足元のテトラや波打ち際をかわしやすくなります。一方、短い竿は振り抜きが軽く、しゃくりのテンポを上げやすいのが利点です。
目安としては、足場の低い漁港や港湾部なら2.82〜2.9m(93・96)、一般的な堤防なら3.05m(100)、サーフや沖の潮目まで届かせたい場面では3.12〜3.20m(103・106)が使いやすい長さです。
注意点として、長い竿ほど自重も増え、手元に重さを感じやすくなります。ドラッガーMXでは96Mが218gに対して106Mは245gです。体格や体力に合わせて、「振り続けられる長さ」を選ぶことも大切です。
ML・M・MH・Hは「投げられるジグの重さ」で選ぶ
数字の後ろのアルファベットは竿の硬さ(パワー)です。ダイワのショアジギングロッドでは、ML(ミディアムライト)→M(ミディアム)→MH(ミディアムヘビー)→H(ヘビー)→HH→XH→XXHの順に硬く、重いジグに対応していきます。
ドラッガーXを例にすると、MLは10〜45g、Mは15〜60g、MHは20〜70g、Hは30〜90gです。同じMHでもシリーズによって範囲が少し違い、ショアジギングXの96MHは15〜65gです。
釣りはじめナビとしての目安を表にまとめました。
| よく使うジグの重さ | 硬さの目安 | ダイワの候補番手 | 主な釣り場 |
|---|---|---|---|
| 〜30g | SLSJ専用M | ドラッガーX SLSJ 94M | 漁港・小規模堤防 |
| 20〜45g | ML〜M | ドラッガーX 96M/ドラッガーMX 96M | 港湾部・一般的な堤防 |
| 30〜60g | M〜MH | ドラッガーX 100MH/ショアジギングX 100MH | 外洋向きの堤防・サーフ |
| 60g以上 | H以上 | ドラッガーX 100H/ドラッガーSX 100H | 磯・潮の速い釣り場 |
注意したいのは、硬さの記号はメーカーやシリーズで基準が完全には揃っていないことです。他社のMHとダイワのMHが同じ硬さとは限らないので、必ずルアー重量の数値で比べるようにしましょう。
ジグの重さや形の選び方は、メタルジグの記事で詳しくまとめています。

釣具店のメタルジグ売り場に立つと、壁一面のジグを前に手が止まります。20gから100g超まで重さがあり、値段も税込220円から4,000円台まで幅があって、どれ…
2本継ぎか3本継ぎか、仕舞寸法で決まる「持ち運び」の差
品名の末尾に「-3」がついているのは3本継ぎモデルです。たとえばドラッガーX 100Mは2本継ぎで仕舞寸法157cm、100M-3は3本継ぎで107cmと、50cmもコンパクトになります。
3本継ぎの利点は、電車やバスで釣り場に行く人、コンパクトカーで竿を車内に積みたい人にとって持ち運びが格段に楽になることです。ブレイクスルーやEXのような上位モデルが全番手3本継ぎなのも、磯への渡船や遠征での持ち運びを考えた設計と考えられます。
一方で、継ぎ目が増えるぶん価格が上がります。ドラッガーXの100Mは24,000円、100M-3は26,000円です。自重は100Mが262g、100M-3が264gとほぼ変わりません。
デメリットは、継ぎ目の数だけ「緩み」のチェックが増えることです。キャストを繰り返すうちに継ぎ目が緩むと、最悪の場合は穂先側が飛んでいったり、継ぎ目が割れたりします。釣りの合間に継ぎ目を確認する習慣をつけましょう。
継ぎ竿は、継ぐ時に穂先側を回しながら差し込むと、ガイドの向きがずれたり継ぎ目が摩耗したりします。ガイドの向きを合わせてからまっすぐ差し込み、抜く時もまっすぐ引き抜くのが基本です。
ダイワショアジギングロッドで後悔しないための購入前チェック
ここまでで候補の番手はだいぶ絞れてきたはずです。最後に、購入前に確認しておきたいポイントと、もう1つの典型的な失敗パターンを紹介します。
失敗パターン②:長さだけで3.20mを選び、港湾部で取り回しに苦労する
よくある2つ目の失敗が、「長い方が遠くまで飛ぶから有利だろう」と考えて、106(3.20m)クラスを港湾部用に買ってしまうケースです。
実際に起こりがちなのは、足場が低く、周囲に係留ロープや船、ほかの釣り人が多い港湾部で、長い竿が振りにくくなる場面です。後ろや横のスペースが足りずにフルキャストできず、結果として2.9mクラスより飛ばない、ということも起こります。足元まで寄せた魚を抜き上げる時も、長い竿は扱いにくくなります。
原因は、竿の長さを「飛距離」だけで選び、「釣り場の広さ・足場の高さ・周囲の状況」を考えなかったことです。対策としては、主に通う釣り場を1つ決め、足場の高さと後方スペースを思い浮かべて長さを選ぶこと。港湾部中心なら93〜96、一般的な堤防なら100、サーフや足場の高い大型堤防なら103〜106という目安で考えると失敗しにくくなります。
もし「港湾もサーフも行く」という場合は、真ん中の100(3.05m)を選んでおくと、どちらの釣り場でも大きく困ることはありません。
リールとPEラインは竿の「PE号数」から逆算する
結論として、リールとラインは竿のスペック表に書かれたPE号数から逆算して選ぶと、バランスの良いタックルになります。
たとえばドラッガーX 96MならPE1.5〜2.5号、100MHなら2〜3号です。この範囲の中間の号数を選ぶのが基本で、PE2号前後なら4000〜5000番クラスのスピニングリールが一般的な組み合わせです。リーダー(PEラインの先に結ぶショックに強い糸)はナイロンやフロロカーボンの30〜40lb前後がよく使われます。
竿とリールの重さのバランスも大切です。軽いドラッガーMXに重いリールを組み合わせると、せっかくの軽さが活かせず、先重りや手元重りを感じやすくなります。購入前に、使うリールの自重もメーカー公式で確認しておきましょう。
注意点は、スペック表の上限を超える太いPEを巻くことです。ガイドに対してラインが太すぎると、キャスト時の抵抗が増えて飛距離が落ちるうえ、竿の許容範囲を超えた力で引っ張ってしまう危険があります。
PEラインとリーダーの号数の合わせ方や結び方は、こちらで詳しく解説しています。

リールにPEラインを巻いたはいいものの、その先に結ぶリーダーで手が止まっていませんか。「何号を選べばいいのか」「そもそも本当に必要なのか」「結び方が難しそう」—…
購入前に確認したい3つのチェックポイント
最後に、レジに持っていく前に確認しておきたいポイントを3つに絞ってまとめます。
1つ目は「メインで使うジグの重さが、ルアー重量の範囲の真ん中付近か」。2つ目は「主に通う釣り場の足場と広さに長さが合っているか」。3つ目は「車・電車など移動手段に対して仕舞寸法が収まるか」です。2本継ぎの96クラスで仕舞は149〜150cm、100クラスで157cm、3本継ぎなら107cm前後が目安です。
この3つを満たしていれば、シリーズの違いは「予算と軽さの好み」で決めて問題ありません。予算重視ならショアジギングX、番手の選択肢と長く使える安心感を求めるならドラッガーX、港湾部で軽さを優先するならドラッガーMXという整理です。
注意したいのは、ネット通販で購入する場合、メーカー希望本体価格と実際の販売価格が異なることです。この記事で紹介している金額はダイワ公式のメーカー希望本体価格(税別)なので、実売価格は販売店でご確認ください。
ショアジギングのロッド選びは、予算別6本の比較をこちらにまとめています。

まとめ
まずは自分が一番よく通う堤防を1つ決めて、そこで使うジグの重さを書き出してみてください。その重さがルアー重量の真ん中に来る番手を1本選べば、最初の青物に出会うまでの道のりがぐっと短くなります。朝マヅメに竿が大きく曲がった瞬間の手応えは、一度味わうと忘れられませんよ。
※価格はダイワ公式サイト掲載のメーカー希望本体価格(2026年10月7日確認)です。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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